<strong>──トラブルもきっと想い出になるベアボーンキット──</strong><br />
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 ケース、電源、マザーボードを基本構成とするPCの半完成状態のものを「ベアボーンキット」という。これにCPU、メモリ、ストレージといった主要パーツを追加すると自分だけのPCが組み立てられる。PCを自作するなら、ゼロからパーツを集めるよりはずっと簡単で、パーツ選びや自作の妙も味わえるという利点もある。今の主流はキュートなキューブタイプだ。

──トラブルもきっと想い出になるベアボーンキット──

●主なタイプは4つ、キューブとスリムとミニタワーとマイクロタワー

 デスクトップタイプのベアボーンキットには、大きく分けて4つの種類がある。まずは、(1)キューブタイプ。その名が示す通り正方形に近い形状のケースが特徴。サイズは非常にコンパクトで狭い机上に置いて使う用途にも適している。またデザインもスタイリッシュなものが多く女性にもウケがいい。一言で言えば、小さいケース。

 次は(2)スリムタイプ。最近増えてきたタイプで、縦置で薄型の形状が特徴。キューブと同じく、省スペース性に優れている。これもキューブ同様にスタイリッシュなデザインが多い。こちらは薄いケース。ちょっとした隙間に設置することもできる。

 その次は(3)ミニタワー。もっとも一般的なPCの形状でキューブやスリムタイプにくらべサイズは大きい。デザインも画一感が強く個性は薄れる。しかし、サイズが大きめなのでパーツ装脱着などの作業はしやすく、また同時に拡張性も高い。

 最後は(4)マイクロタワー。読んで字のごとくミニタワーよりも少し小さなタワー型。ほとんどの場合、キューブタイプよりサイズが大きく、ミニタワーとおなじく、組み立て作業はやりやすい。



 「BCNランキング」による「ベアボーンPC」トップ10ではタイプによるかたよりはあまり見られない。しかし、全体でみると半数以上の53%がキューブタイプで、次がマイクロタワー。比較的コンパクトなものが人気のようだ。作業のしやすさやメンテナンス性の高さならミニタワーやマイクロタワー、コンパクトなスタイルを優先するならキューブやスリムを選びたい。


●流行のキューブタイプを選ぶなら、拡張性には要注意

 今人気のキューブタイプだが、拡張性の面では少し心細い。たとえばベイの数。CD-ROMなどを収納する5.25インチベイが1つ、フロッピーやMOドライブを装着する3.5インチベイが1つ、ハードディスクを装着するシャドウベイといわれるストレージベイが全て1つの計3つのみというものが多い。


 そのため、本体に追加ストレージを内蔵させることはできない。つまり、通常のデスクトップPCのように、将来的な拡張性を求めると失敗することになる。「デザイン優先」「コンパクトさ優先」なら流行のキューブタイプ。拡張性を求めるなら、タワー系をのものを選ぶのが基本だ。

 ただ、最近の周辺機器は、USB接続による外付けタイプが主流になってきており、USBポートさえあれば何とかなることも多い。すべてのパーツをケースに内蔵したい一体簡潔主義の人ならまだしも、一般的なユーザーにとっては大きな問題とはならないかもしれない。

●ノートタイプのベアボーンという選択肢も

 先に挙げたベアボーンのいずれにも属さないタイプとして、「ノートタイプ・ベアボーン」というものがある。その名の通りノートPC型のベアボーンキットで、バッテリを搭載したピュアなノートタイプと、バッテリは搭載せず、形状のみノートPCを踏襲しつつ中身はデスクトップPCに近いコンポーネントで構成された「デスクノート」とも呼ぶべきタイプの2種類がある。

 特に後者は、形状はノートPCでありながら基本的なコンポーネントはデスクトップPC用の強力なCPUやメモリを使える。ある意味、究極の高性能省スペース型PCになり得る。「机が狭い」「いつも机の上に書類などが散乱している」といった机上事情に問題を抱える場合には、最適の一台となること請け合いだ。

 また、バッテリ搭載のピュアなノートタイプも種類は多く、12.1インチB5サイズのモバイルタイプから14.1?15インチといった使い勝手のよいA4サイズまでニーズに合わせて様々な機種が選べる。「ノートPCを自作する」という一風変わった試みも面白い。

●トラブルもきっと想い出に

 「ベアボーンキットでPCをつくる」とはいっても、実際は部品を集めて組み立てるだけ。感覚としてはプラモデルに近い。ただ、マザーボードとCPUの相性に代表されるような構成パーツ間の相性の問題は避けて通れない。初心者がベアボーンキットに挑戦するなら、ショップが推奨しているCPUやHDDを組み合わせて購入するのが無難だ。

 はじめはうまく動かないかもしれない。しかし、トラブルを解決して無事OSが立ち上がったとき、経験した者でなければ味わえない達成感を得ることができるだろう。子どもと一緒ならなおさら。そして子どもにとっては、それこそ一生の想い出になるに違いない。どうだろう、この夏、チャレンジしてみては?(市川昭彦<Aqui-Z>)


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで113品目を対象としています。