最近「スパイウェア」という言葉をよく耳にするようになった。ウェブサイトを閲覧したりフリーソフトをダウンロードしたりした際、スパイのようにPCに侵入。その後クレジットカード番号などの個人情報の「収集活動」を勝手に行い、外部に送信してしまうというものだ。個人情報を外部に流出させるため、金銭に関わる被害を引き起こす可能性が高く、ある意味でウイルスよりもタチが悪い。<br />


 最近「スパイウェア」という言葉をよく耳にするようになった。ウェブサイトを閲覧したりフリーソフトをダウンロードしたりした際、スパイのようにPCに侵入。その後クレジットカード番号などの個人情報の「収集活動」を勝手に行い、外部に送信してしまうというものだ。個人情報を外部に流出させるため、金銭に関わる被害を引き起こす可能性が高く、ある意味でウイルスよりもタチが悪い。

 しかもこのスパイウェア、これまでの「ウイルス対策」だけでは侵入を阻止することができない。スパイウェアに対応したセキュリティソフトが必要になる。そこでスパウェア対策に焦点を当て、売れ筋の対応ソフト動向などをまとめてみた。

●最近の統合型ソフトならスパイウェア対策も常識

 現在セキュリティソフトはおおまかに分けて2種類。いくつかの機能を併せ持った統合型と、ウイルス対策、ファイアウォール、スパイウェア対策、スパム対策ソフトなどの単機能型だ。主流は1本で基本的なセキュリティ対策がすべて行える統合型。ランキングでも上位はすべてこのタイプでスパウイエア対策機能が含まれている。しかし、現在スパイウェア対策機能が含まれていないセキュリティソフトを使っていたり、そもそもセキュリティソフトを使っていないなら、とくにスパイウェア対策は考えておいたほうがいい。



 さらに今使っているPCで、(1)スタートページが勝手に変更された、(2)画面に変な広告が表示されている、(3)見覚えのないツールバーがインストールされている、(4)パソコンの調子が急に悪くなった――などの症状があった場合、すでにスパイウェアに感染してしまっている可能性もある。すぐに手を打つべきだろう。

●売れ筋専用ソフトはどれ?

 スパイウェアからPCを守るいちばん手軽な方法は、スパイウェア対策ソフトを導入することだ。例えば、ジャングルの「SGアンチスパイ」は、いま、もっとも売れ筋のスパイウェア対策ソフト。5月30日-6月5日集計のセキュリティソフト製品別「BCNランキング」で、「特別優待版」が総合20位に、通常版も38位にランクインしている。他社のソフトよりはるかに多い14万種以上のスパイウェアに対応し、高い検出精度を誇る点が評価されているようだ。

 また、6月に発売されたばかりのインターチャネル「スパイゼロ2006」は、ネットワークから侵入しようとするスパイウェアもリアルタイムで駆除できるのが特徴。ウイルス対策ソフト付属のスパイウェア対策機能や無料のスパイウェア対策ソフトでは検知できない「未知のスパイウェア検出も可能」というのもウリだ。さらに、ブラウザの閲覧履歴やオートコンプリート、Cookieなどを一括で消去できる機能も搭載している。

 このほか、12万種を超えるスパイウェアに対応するコンピュータ・アソシエイツの「eTrust PestPatrol アンチスパイウェア 2005」、リアルタイムの検知機能を備えたAOSテクノロジーズの「ファイナルストッパー 4.0 AntiSpyware」なども、今年に入ってパッケージ版が発売された。

●早くから対策を進めてきた「統合型」という選択も

 一方「Norton Internet Security 2005」など総合的なウイルス対策ソフトを販売するシマンテックは「基本的には1本ですべてがまかなえるオールインワンソリューションを中心に展開しており、スパイウェア対策機能も前バージョンの「2004」(03年秋発売)から導入している。ただし、ウイルス対策ソフトとスパイウェア対策ソフトを別の会社の製品同士で組み合わせて使うといった選択肢も今後提供していきたい」(齋藤秀明副社長)と、いち早く統合ソフトで対応しながらも、ユーザー環境にも柔軟に対応していく方針。

 とりあえず専用ソフトでスパイウェア対策を施しておいて、ウイルス対策ソフトなど他のセキュリティソフトとの併用が面倒になってきたら、統合型のソフトに移行して、すべてを任せるということでもいいだろう。

●もう一度見直したいPCのセキュリティ環境

 経済産業省とNPOの日本ネットワークセキュリティ協会は、03年から毎年、共同で全国情報セキュリティ啓発キャラバン「これだけは知っておきたい インターネット安全教室」という無料のセキュリティ啓蒙セミナーを実施している。05年度は、この6月から来年3月にかけて全国各地で開催する予定で、警視庁の後援のもと「インターネットを安全快適に活用するにはどうしたらいいか、被害にあったときにはどうしたらいいか」をテーマに、情報セキュリティの基礎知識を紹介する。行政機関がセキュリティ対策を呼びかけるほど「危険は身近に迫っている」と認識したほうがよさそうだ。

 スパイウェアに限らず、フィッシング詐欺などオンライン独特の手法による詐欺も頻発しており、現実と同じく“自分の身は自分で守る”意識がなければ、やられてしまかねない状況になってきた。だからこそ被害を受ける前に、使い方も含め、セキュリティの視点からPC環境をもう一度見直してみてはどうだろうか。


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで125品目を対象としています。