iPod買うならどれ選ぶ? 販売データからみえた最新売れ筋動向

特集

2005/03/04 22:07

 「携帯オーディオを買うならiPod」と決めている人も少なくない。とはいえ、本家iPod、iPod mini、iPod Shuffleと、ラインアップが豊富にありすぎて迷ってしまうのも正直なところ。いったい、みんなはどのモデルを購入しているのか、「iPodファミリー」それぞれの販売推移を追ってみた。

 「携帯オーディオを買うならiPod」と決めている人も少なくない。とはいえ、本家iPod、iPod mini、iPod Shuffleと、ラインアップが豊富にありすぎて迷ってしまうのも正直なところ。いったい、みんなはどのモデルを購入しているのか、「iPodファミリー」それぞれの販売推移を追ってみた。

 図1は、iPod Shuffleが発売された1月2週の販売台数を100とした、「iPodファミリー」各モデルの販売指数推移。週別の販売台数ランキングでは上位を賑わしているiPod Shuffleも、実は発売当初からそれほど大きく販売が伸びているわけではないことがわかる。


 むしろ、新型iPod mini、iPod photoが出る直前までは、本家iPodの人気が上昇した。iPod Shuffleで話題をふりまきつつ、しっかりと高機能モデルの本家iPodに売り上げを結びつけるあたり、アップルのしたたかさが光る。

 さらに、現在は新型iPod photoが急上昇中。同社プロダクトマーケティングの小西達矢氏は、「これまでの『iPod photo』は、iPodファミリーの最上位モデルというイメージが強すぎて、音楽プレーヤーとして考えるとユーザーが手を出しにくい製品となっていた」という。この反省のもと、新型iPod photoでは、価格を5万7540円(40GB)、7万140円(60GB)から3万8800円(30GB)、4万9800円(60GB)と大幅にプライスダウン。

 こうした価格ダウンと、「要望が多かった厚さの面でもスリム化を図った」という改善によって、必ずしも写真が目当てでなかったユーザーも「iPod photo」に取り込んでいこうという狙いだ。実際、2月上旬には販売指数が半減していたが、新機種に変わったとたん、過去最高となる販売台数を記録した。徐々に「本家iPod」から上位機種「iPod photo」への購入シフトが進んでいきそうだ。

 ビックカメラ有楽町店の携帯オーディオ担当販売員によれば、iPodファミリーの購入者について、「iPod photoは、本家iPodの20GBモデルと数千円しか変わらなくなったため、両モデルを比較するお客さんが増えている。iPod Shuffleは話題性があるが、1GBは未だに品薄状態なのと液晶がついていないこともあって、他社製品やiPod miniに移るケースも多い。iPod miniは、価格重視なら4GB、容量重視なら6GBを選んでいる」とのこと。やはり、店頭でもiPod Shuffleを基点に他のiPod製品へとユーザーが流れているようだ。

 それでは、ここでiPodファミリーのモデル別販売構成比の推移を見てみよう(図2)。iPod Shuffleが発売される前は、「iPod+iPod photo」と「iPod mini」で、ほぼ勢力を二分していた。iPod Shuffle発売時には「iPod+iPod photo」が勢力を落としたものの、再び上昇傾向に転じ、新型iPod mini投入直前の2月3週の販売構成比では、「iPod+iPod photo」、「iPod mini」、「iPod Shuffle」3製品で、見事にシェアを3分割している。アップルは、入門機から上位機種まで、iPodファミリーの販売比率をきれいに整えることに成功したといえる。


 そして、今回の新型iPod miniでは、4GBと6GBの2機種を用意し、「iPod mini」のラインアップを手厚くした。「iPod Shuffle」でひきつけたユーザーを、上位機種の「iPod mini」や「iPod photo」まで引っ張りあげていくことができるのか、アップルの今後の手腕が試される。