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サラリーマン時代のノウハウで起業初年度2000万円を稼ぐ方法とは?~原論~

暮らし

2023/09/23 18:00

 【起業・副業で収入増を実現させる・2】 吉政創成の吉政忠志です。 と申します。前回は、「序章」ということで起業・副業を行うべき理由と初年度で2000万円の収入を得るための基本的な考え方を紹介しました。競合の2倍の機能を半額で実現すれば、受注しやすくなり、それを個人で数社獲得すれば、年収2000万円になるという考え方です。今回は、その原型である「2倍の機能を半額で提供するサービス」の骨子に肉付けをするための考え方を説明します。

「二倍の機能を半額で提供するサービス」を実現するためには?

 骨子を作るのは、実は割と簡単で、売れている外注サービスを金額を半額にして、そのサービスメニューの2倍の機能を書いてみれば、原型はできます。しかし、それを実現しようとした場合、なかなか難しいように感じますよね。

 ただ、安心してください。「2倍の機能を半額で提供するサービス」概念の「半額の金額」と「2倍の機能」に直接関係がない、これらのものをコストからそぎ落とすだけでも、価格の差別化は一歩実現に近づきますよね。仮想競合として参考にしたサービスを提供している会社はおそらく、オフィスを持っていたり、管理部門の人員がそれなりにいたり、広告を打っていたりします。一方、こちらは奇麗なオフィスがなくても管理体制がなくても、良いサービスを実現してくれればいいという顧客は一定数存在するので、スリムな経営で勝率は上がります。

 では、一番の要は何か。それは、「2倍の機能を半額で提供するサービス」を実現するために仕組みを工夫するということです。毎日、24時まで働いて、2倍の機能を半額で提供するために4倍働くというのでは、体を壊してしまいますし、そもそも気合いで何とかするのは長続きしません。仕組みを工夫するのが大事なのです。そして、仮想競合の会社では実現できない仕組みを作ると、なお良いです。余談ですが、2倍の機能を半額で提供するサービスは不景気に強く、不景気になると大手企業からの問い合わせが増えて、大手顧客を獲得することにつながります。
 

「2倍の機能を半額で提供するサービス」を実現するためにやったこと

 「2倍の機能を半額で提供するサービス」を自分が実施するために作った仕組みは、(1)Draft納品という仕組み、(2)議事録の廃止、(3)電子メールの廃止、(4)社内コミュニケーションの廃止、(5)業務のレシピ化と作業単価給の採用、(6)オフィスは持たない、移動もしない、(7)最終奥義:営業をしなくて済むモデルにする――の七つです。この中で特に大きな差別化になったのは、1と5と7です。これから数回にわたって紹介します。今回は、「Draft納品という仕組み」を説明します。
 

Draft納品という仕組み

 私が起業したマーケティングの会社は、Webを作ったり、原稿を納品したり、企画を納品したりと、何らかのものを制作して納品するのが仕事です。他のマーケティング会社も、制作して納品するというのがスタンダードなやり方でした。

 サラリーマン時代から感じていたのは、無駄なやり取りが多く発生していたことです。それが納品物の修正依頼でした。ひどいものになると「てにをは」の1文字を修正してほしいという「戻し」でした。これは割と多い話で、この軽微な修正のために顧客はメール文章を考えて当社に修正依頼します。

 こちらは、そのメールを見て、修正し、返信します。この非生産的な作業にも両社にコストがかかっています。そのやり取りに往復で1日はかかりますので、タイムロスもあります。いいことないですよね。もし、顧客の方で自由に修正して進めていただければ、お互いの工数は削減でき、スピーディーになります。

 そこで、私は「当社のサービスは原則、Draftの状態で納品します。軽微な修正はお客様のほうでお願いします。それ故に、当社のサービスは安価な価格設定ができています。大幅な修正が必要な場合のみ、書き直しの依頼をお願いします。軽微な修正の作業を当方で行う必要がある場合は別途お見積もりいたします」という仕組みを作りました。この仕組みによりコストが圧縮でき、納期が速いという半額で2倍のサービスに1歩近づきます。

 この仕組みを説明すると多くの顧客は驚きますが、この運営で進めるとスピーディーになるため、評価してもらうことが多いのです。実際、競合他社の半額以下の金額でできています。

 顧客が丸投げといわれなくて済むようになったということも、Draft納品の副産物としてはあります。マーケティング会社の窓口となる顧客は、たまに社内で「XXXさんは、業者に丸投げしている」などといわれることがありますが、Draft納品にすることによって顧客側で修正しますので、顧客の成果物としての側面も持つようになります。顧客との良いチームワークにもなります。このDraft納品という仕組みは、起業初年度で年収2000万円を実現した大きな原動力の一つになりました。
 

 次回は、この「2倍の機能を半額で提供するサービス」を実現するためにやったことの続きを説明します。(吉政創成・吉政忠志)