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「おいしい狭山茶大好き条例」施行 6月第1日曜は「狭山茶の日」! 入間市が「茶どころ」をPR

時事ネタ

2022/10/04 17:30

 埼玉県入間市は、「おいしい狭山茶大好き条例」を制定し、2022年10月1日に施行した。狭山茶を盛り上げるための条例とのことなので、早速、「狭山茶」を紹介しよう。

入間市役所と茶畑(「写真AC」より)

 入間市の公式サイトなどによると、狭山茶は、埼玉県と隣接する東京都で生産されるお茶の総称で、全国の主要茶産地の中では北方に位置し、年に2回しか茶摘みができないため全国的にみると生産量は少ない。味は良いとされ、「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」と謳われている。

 主産地は入間市で、生産量、栽培面積も県内一とされる。狭山茶の名称は江戸時代後期の復興後、明治8年(1875年)に輸出会社「狭山会社」が設立され、その際、狭山丘陵周辺の武蔵野台地一帯で生産されていたさまざまな茶名を統一して誕生した。
 
埼玉のお茶の産地
(埼玉県のウェブサイト「狭山茶のはなし」より)

 入間市内には、自家の茶園で栽培した茶葉を自家の茶工場で製造加工し自家の店舗で販売する昔ながらのお茶屋さんなど、多くの茶販売店がある。おいしい狭山茶大好き条例では、「近年、日常的に急須でお茶を淹れて飲む人は少なくなってきており、茶業の状況は厳しく市内の茶業者は減少傾向にあります」とし、条例第1条・制定の目的として「茶業及び茶文化の振興を図り、茶畑の風景や狭山茶のある暮らしを後世へつないでいくこと」を挙げた。また、狭山茶に親しみ、市民が狭山茶を再認識する日とするため、「狭山茶の日」を定め、1回目の茶摘みシーズンとなる毎年6月第1日曜日を狭山茶の日とした。
 
おいしい狭山茶大好き条例・ふりがなあり版(一部抜粋)

 ペットボトル茶のほか、お茶を活用したアレンジ商品として、狭山茶を使ったアイスやようかん、クッキーといったスイーツ、コーラ・ジュースなどのドリンク、紅茶・ほうじ茶なども商品化されている。例えば、2020年に所沢市にオープンした「ところざわサクラタウン」にある和カフェ「武蔵利休」は、所沢市の茶業者「新井園本店」が運営しており、こうした抹茶スイーツへの展開が最も狭山茶ブランドのPR効果が高いといえそうだ。
 
狭山茶どころの石碑、狭山丘陵周辺に広がる茶畑

 狭山茶は全国的にみて、まだまだ認知度が高いとは言い難い状況にあるが、埼玉県や隣接する東京・西多摩エリアを訪れることがあったら、希少な特産品としてぜひ思い出してほしい。(BCN・嵯峨野 芙美)
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