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総務省、7月の大規模通信障害に関してKDDIに行政指導 事業者間ローミングに関する検討も開始へ

 総務省は8月3日、7月2日~4日にかけてKDDIのネットワークで発生した大規模通信障害に関し、電気通信事業法第28条に基づく重大な事故報告書を提出していたKDDIと沖縄セルラー電話に対し、厳重注意を行うとともに、再発防止策を確実に実施するよう文書で指導した。


 民間事業者が手掛けるモバイルデータ通信・通話サービスは、生活に欠かせない水道・電気と同等の重要な社会インフラとなっているのが実状だ。今回の通信障害は発生から61時間25分(約2日半)の長時間にわたって継続し、影響を受けた利用者数(回線を提供するMMVNO含む)は、音声で推定約2316万人、データ通信で775万人以上にのぼった。
au公式サイトの告知(2022年8月4日時点)

 同様の事故の再発防止のため総務省は、通信障害が発生した時の利用者目線に立った適切な周知広報・連絡体制のあり方について業界全体としてのルールの策定に向けて取り組むことを要請したほか、8月8日から開催する電気通信事故検証会議で検証を行い取りまとめに基づき、追加的な再発防止策が必要となった場合は取り組むよう要請した。なお、今回の行政指導は、事案の重大性に鑑み、初めて総務大臣名で行った。

 電気通信事故検証会議では、外部有識者による専門的な見地から、まずは大規模な通信障害が発生した原因の検証や再発防止策の検討を進め、3回程度の会合を経て、10月までには結果のとりまとめを行う予定。さらに自然災害や通信障害などの非常時においても、緊急通報をはじめとする携帯電話・モバイルデータ通信サービスが継続的に利用できる環境の整備に向け、事業者間ローミングなどに関する検討会を立ち上げ、年内に基本的な方向性を整理する。

 また総務省は8月1日に、NTTドコモ、KDDIソフトバンク楽天モバイル並びに全国携帯電話販売代理店協会に対し、携帯電話の販売代理店業務の適正性確保に向けた指導などを改めて実施することを要請した。各社には、9月30日までに対応状況・今後の取組方針を総務省に報告するよう求めている。
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