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粗雑なガストーチの事故が増加 キャンプやBBQ、炙り料理で注意

暮らし

2022/05/09 19:30

 製品評価技術基盤機構(NITE)は、粗雑な作りのガストーチによる事故が2020年度以降に増加していることから、消費者に対して注意を呼びかけている。

2020年度以降、ガストーチの不具合を原因とした事故の発生が増加

 NITEによれば、ガストーチの不具合に起因する事故が2020年度以降増加しており、その大半が海外製のガストーチによるものだったという。
 
ガストーチの不具合による事故のほとんどが海外製ガストーチで発生

 事故の原因となったガストーチの不具合としては、「Oリングの不具合によるガス漏れ」「製造不良によるガス漏れ」が上位を占めている。
 
ガストーチの不具合による事故原因、Oリングの不具合や製造不良によるガス漏れが上位に

 NITEは、このような事故発生の背景として、海外製ガストーチの中には設計時または製造時の品質管理が不十分なものがあり、適切でない材質や寸法のOリング使用や、内部への異物の付着、組み立てや加工精度の低さによってガスの気密が不十分となり、ガス漏れが発生する恐れがあると指摘する。

 さらに、国内メーカーの製品ではカセットボンベとの接続部に2つのOリングを使用し、2段階でガス漏れを防ぐ構造となっている一方で、一部の粗雑な作りの製品ではOリングが一つだけの構造のものが多く、コスト削減によってガス漏れのリスクがさらに高まっているという。
 
コスト削減による粗雑な作りがガス漏れリスクの増加に

 そのほか、海外製のガストーチでは対応するカセットボンベの入手が難しい、取扱説明書が付属していない、また付属していても内容が不十分であったり、日本語での記載がなされていなかったり、といった要因を挙げている。

 こうした状況を受けて、NITEはガストーチ購入時の注意点として、製造事業者や輸入事業者、販売事業者などの連絡先を確認し、連絡先が確かな製品を選ぶことを求めるとともに、商品説明文の日本語表記がおかしいもの、日本語の取扱説明書がないもの、他の製品と比較して極端に安価なものは注意するよう訴える。

 使用前には、カセットボンベとの接続部やバーナー部に異物が付着していないかを確認すること、火の元から離れた場所でカセットボンベを装着すること、カセットボンベがガストーチに確実に固定されていることを確認すること、ガスが漏れる音(シューという異音)やニオイ(異臭)がしないかを確認するよう求めている。

 使用時には、ガストーチを大きく傾けて異常燃焼が発生した場合は、直ちにガストーチを立てた状態に戻すこと、使用中の傾ける角度は45°までを目安とすること、使用中や使用直後は高温となるバーナー部に可燃物を近づけたり、手で触れたりしないこともあわせて求めた。

 なお、漏れたガスに引火すると、水をかけたり水に浸けたりして消火しようとしても、わずかに残った火で再び燃え上がったり、ガスが水面で燃え続けたりして、消火が難しい場合があるほか、過熱されたカセットボンベが破裂する危険があることから、対処が困難と判断した場合は、直ちに避難するよう訴えている。
 
漏れたガスに引火した場合は消火が困難な場合も