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エディオン、郊外の家電量販店の「感動サイズは65インチ以上」

 【地デジ移行から10年・2】 コロナ禍で在宅勤務をする人が増え、これまで都心に通勤していた人の家にいる時間が長くなった。必然的に郊外における昼間人口がコロナ前よりも増えたことで、家電量販店も都市部の店は苦戦し、郊外の店は潤うという二極化の構造が生まれた。愛知県のエディオン安城店では、都市部の店より一回り大型の65インチ以上のテレビを「感動サイズ」として提案する。

安城エリアで有力家電量販店の
「エディオン安城店」

65型以上が「これからの大画面スタンダード」

 「お客様が家で過ごす時間が長くなり、これまで飲食や旅行に使っていたお金が、身近なものを買うために使われるようになり、普段よりワンランク上の商品を買われるケースが増えた」。こう話すのは愛知県安城市に店舗を構える「エディオン安城店」の太田将人主任だ。

 コロナ禍でテレビが故障したから買い替えるケースだけでなく、有機ELテレビや65インチ以上の液晶テレビを購入して、家で過ごす時間を充実させたいというニーズが高まっている。
 
エディオン安城店の太田将人主任

 都市部の家電量販店では居住スペースの関係もあり55型のテレビを提案するケースが見受けられるが、エディオンでは「感動サイズは65インチ以上」と一回り大きなサイズを提案する。売り場でも55型を「リビングの定番サイズ」とし、65型を「これからの大画面スタンダード」とする。さらに大きな75型と一緒に3台を並べてインチアップを促す。
 
65型以上を軸に提案

 そして、このような大画面テレビをVODなどの動画配信と合わせて提案する。NetflixやAmazon Prime Video、U-NEXTなどに加入する30~50代のお客が増えていることで、映画などをスマートフォンの小さな画面ではなく、大きなテレビで家族みんなで楽しみたいというニーズに対応するためだ。

 太田主任は、液晶による大画面の良さもさることながら、有機ELの応答速度の速さや漆黒が表現できるコントラストなどを説明し、映画がきれいに楽しめることをアピールする。

13年間で平均画面サイズは1.4倍に拡大

「BCNランキング」による
薄型テレビの機種別平均画面サイズの推移

 家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計する「BCNランキング」を使った前回の記事で、2020年の薄型テレビの販売台数が07年並みだったことを示した。今回はBCNランキングによる液晶テレビ、プラズマテレビ、有機ELテレビの平均画面サイズの推移を見てみよう。

<前回記事>
「地デジ」移行から10年、変わる家電量販店のテレビ売り場
https://www.bcnretail.com/market/detail/20211118_254016.html

 07年当時、液晶テレビの平均画面サイズは28.9型だった。それが20年には40.5型になり13年間で1.4倍に拡大したことがわかる。同じように、07年のプラズマテレビの平均画面サイズは41.2型だったが、20年の有機ELの平均画面サイズは57.3型となり、やはり1.4倍に拡大した。

 液晶テレビはテレビの販売台数全体に占める構成比が高いのと、大型から小型サイズまで幅広いラインアップがあるため平均画面サイズはほかの機種よりも小さくなってしまう。それでもこの13年間で1.4倍まで拡大したということは、全体的にみてもテレビの画面サイズが大きくなったことがわかる。

 もっとも、平均画面サイズが拡大した背景には、単純にテレビのサイズが大きくなったわけでないことは留意しておきたい。テレビのフレームが狭額縁になったことで、幅や高さが同じでも画面の大きなテレビが置けるようになったというテクノロジーの進化は見落とせない。

 エディオン安城店の売り場でも、07年当時の42型液晶テレビの高さが73.4センチだったのに対し、今の50型液晶テレビの高さがそれよりも低いことがわかるコーナーを設置している。

 これを見れば、42型から50型に買い替えてもテレビそのものが小さくなったと感じ、せっかく買い替えても後悔する恐れがある。あるいは、今のテレビと同じ高さで50型よりもさらに大きなサイズのテレビが置ける。リアル店舗だからこその気づきが得られるのだ。

「最短視聴距離」も設置の目安に

テレビの品質や質感、デザインがわかる展示

 また、商品まわりにあまりPOPを張らず、あくまでも商品の品質や質感、デザインなどを全面に押し出す展示手法は、エディオンがこだわっている点でもある。唯一テレビ画面に張ってあるのは、左角にある小さな札ぐらい。赤色が有機ELテレビ、青色が液晶テレビを示し、その中にインチが記載してある。

 さらに、通常はメーカーが独自につくったコンテンツを流すことが多いが、エディオンでは同じコンテンツやテレビ番組を映している。普段見ているテレビと同じ映像で比較できるので、機種ごとの色づかいや画質の違いがわかりやすい。
 
4Kなら最短視聴距離が短くなる

 もう一つ。テレビ売り場では、最短視聴距離が10年前よりも短くなっている訴求が目立つ。10年前の2011年にアナログ放送が停波し、地上デジタル放送に完全移行した際の解像度である「2K」は1920×1080画素の約207万画素である。

 今のテレビの解像度である「4K」は3840×2160画素の約829万画素となり解像度は約4倍になる。解像度がきめ細かくなるほど目に与えるストレスが減る結果、最短視聴距離は以前よりも短くなっているのだ。70型の場合、2Kは約2.5メートルだったが4Kなら約1.3メートル。60型の場合、2Kは約2.3メートルだったが、4Kなら約1.2メートルとなる。

 こうした最短視聴距離を踏まえると、「感動画質」のテレビを設置できる可能性はさらに高まるだろう。
 
お得な下取りキャンペーンを展開

 なお、エディオンでは今あるテレビをお得な下取り価格で買い取ってくれる「歳末キャンペーン」を各店舗で実施している。詳細は近くのエディオンの店舗に確認してほしいが、テレビの買い替えで悩んでいたら実際に店舗に足を運んで販売員に聞いたり、自ら体感しながら選ぶといいだろう。(BCN・細田 立圭志)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。