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カメラ市場が苦戦する中、「三脚・一脚」が売れてる理由とは

 スマートフォン(スマホ)の席巻だけでなく、旅行やイベントなどが減ったことでさらにデジタルカメラ市場が厳しい一方、「三脚・一脚」の市場は健闘している。従来の「カメラ周辺機器」の枠を超えて、幅広い層にマーケットが広がっているからだ。年間販売台数シェアのトップベンダーを称える「BCN AWARD 2021」の「三脚・一脚」部門で、30.9%の1位に輝いたハクバ写真産業に話を聞いた。

BCN AWARD 2021」の「三脚・一脚」でトップになったハクバ写真産業

コミュニケーションツールの必需品に

 全国の家電量販店ネットショップPOSデータを集計する「BCNランキング」の「三脚・一脚」部門で、2020年1月1日~12月31日の年間販売台数トップとなったハクバ写真産業にとって、2020年は大きな出来事があった。同年8月、国内三脚メーカーとしてトップクラスだったベルボンから、カメラ用三脚の企画・設計・開発事業の譲渡を受けたのだ。

 ハクバ写真産業が培ってきた販売ネットワークによる営業力と、ベルボンの製品企画や開発力が相互補完しあえる関係になった。

 新たな船出は、まさに新型コロナのただ中での厳しさが予想されたが、同社が身構えるほど市場は悪くならなかった。BCNランキングによる三脚・一脚の2020年(1~12月)の販売台数は前年比95.8%の微減で持ちこたえた。デジタルカメラやでデジタルビデオカメラ市場がコロナの直撃を受けたことを考えれば、大健闘といっていいだろう。

 同社によると「外出自粛によるおうち時間が増えたことで、三脚が離れた人とコミュニケーションをとる際の必需品として認識された」と分析する。

 確かに、若い人たちを中心にYouTubeやInstagram、TikTokなどを使って自らコンテンツを発信する動きはこれまでもあったが、それは一部の先進的な層にすぎなかった。しかし、20年4月の緊急事態宣言による外出自粛を余儀なくされた人々が、リモートで情報発信やコミュニケーションをとるための環境整備に一斉に動き出した。

 リモートワークや学校の休校でノートPCタブレット端末が売れたように、三脚・一脚もおうち時間の必需品として、これまでのカメラマニアだけではない、幅広い層に浸透していったのだ。

緊急事態で「卓上タイプ」が急増

 BCNランキングでも、そのことを裏付ける興味深いデータがある。三脚・一脚の卓上(全高0.5m未満)、小型(同1.0m未満)、中型(1.7m未満)、大型(1.7m以上)のタイプ別構成比の月別推移を示したグラフだ。緊急事態中の2020年4~5月に卓上が50%を超えて急増し、中型と逆転した様子がわかる。直近の21年1月も、二度目の緊急事態宣言が発出されて再び卓上タイプが息を吹き返している。
 

 リモートワークでスマホのカメラや外付けカメラを固定するために使ったり、おうち時間の増加で増えた料理をするためのレシピ動画を見たり、YouTubeやInstagram、TikTokに上げたりするためなど、卓上タイプの需要が急増したとみられる。

 ハクバ写真産業の担当者は「最近のスマホに短い動画から静止画を選び取れる機能や早回し動画のタイムラプスが標準搭載されていることから、スマホのアタッチメントがついているタイプも売れている。より高画質なデジタルカメラでは、日常を動画で記録するVlog(Video Blog)など、新しい動画の使い方と一緒に三脚も動いている」と語る。

 確かに、SNSの普及もあるだろうが、ニューノーマルな新しい生活様式とともに、動画のコミュニケーションが人々の生活により身近な存在になっているのだろう。

 さて、最後にそんなハクバ写真産業の新製品の中から、おすすめの三脚とカメラバッグを紹介しよう。まずは、ベルボンのGUTシリーズの「GUT-E443」は、持ち運びがしやすいのでアウトドアなどに向いている。剛性に優れたカーボンファイバーパイプはもとより、脚を反転させることでコンパクトに収納できるのが特徴の製品だ。
 
ベルボンのGUTシリーズ「GUT-E443」。脚が反転できる

 ハクバ写真産業のカメラバッグ「GW-PRO RED」シリーズのX-Pacエディションは、ヨットの帆(セイルクロス)で世界一のシェアを誇るDIMENSION-POLYANT社が開発したX-PLY(ファイバー)を、表と裏生地の複数の素材で貼り合わせた高性能素材を惜しみなく使っている。
 
ハクバ写真産業の「GW-PRO RED」のマルチモードバックパック 02 L

 X-Pacは文字通り、X状のメッシュのポリエステルワイヤーを重ねることで繊維の弱点とされる斜め方向の強度を高めた素材である。機能とファッション性だけでなく、さらにカメラバッグとして多方向から機材にアクセスできる構造と、便利なギミックにあふれ、魅力的なモデルとなっている。

 今後も、動画を使った新しいコミュニケーションや表現方法は、ユーザーの数だけ増えていくはずだ。従来のカメラマニアによる閉ざされた領域から脱皮することで、三脚・一脚はますます可能性のあるマーケットに進化していくことだろう。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などのPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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