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「オーティコン補聴器チャリティーコンサート」が初のオンライン開催、難聴者と健聴者がともに音楽を楽しむ新しい工夫も

販売戦略

2021/01/08 18:00

 今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くのイベントが中止や延期、オンライン開催を余儀なくされている。補聴器メーカーのオーティコン補聴器が毎年実施している「みみともコンサート」も7回目にして初のオンライン開催となった。12月11日のコンサート当日の様子をレポートしたい。

12月11日にオンラインで行われた「オーティコン補聴器チャリティーコンサート」

 2014年から毎年開催している「みみともコンサート」及び今回オンラインにて開催した「オーティコン補聴器チャリティーコンサート」は、補聴器メーカーらしく、「子どもから大人まで難聴者と健聴者が共に極上の音楽を楽しむ」ことをコンセプトにしている。過去のコンサートでは、ホールに補聴器ユーザーの音楽鑑賞をサポートする「磁気ループシステム」を張り巡らせたり、コンサート中の音声情報をリアルタイムでモニターに文字起こしする「要約筆記」を活用するなど、難聴者が壁を感じないような工夫を凝らしていた。
 
オーティコンが主催するコンサートはここ数年、東京・銀座の王子ホールで開催している
 
「磁気ループシステム」(左写真、床に設置されている)や「要約筆記」など、
難聴者に壁を感じさせない工夫を凝らしていた

 今年はオンライン開催となったため、磁気ループシステムや要約筆記の恩恵を受けることができなくなったが、オンラインにはオンラインだからできる工夫がある。今回のコンサートに取り入れられたのは、コンサート前後のスピーチの字幕表記、そして補聴器によるコンサート音源のストリーミング再生だ。

 実は、Bluetooth通信接続対応の補聴器はヘッドホンのようにPCやスマホの音をストリーミング再生することができる。オーティコン製であればONアプリから音質調整し、ハイクオリティな演奏を楽しむことも可能だ。
 
補聴器の機能を活用することでオンラインでも難聴者・健聴者の垣根のない視聴を可能にした

 オンライン開催以外にも7回目にして初めての試みがあった。それはチャリティーコンサートとして、難聴者団体への寄付金を募ったことだ。募金は「note募金システム」を用いて100円という少額からできるようにした。リアル開催では参加できる人数に制限があるが、オンラインにはそれがない。図らずもオーティコンのメッセージは、これまでより多くの人に拡散できる結果となった。
 
コンサート冒頭ではオーティコン補聴器の木下聡プレジデントが
今回のコンサートの趣旨や新しい試みについて説明

 コンサートに出演したのは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団でコンサートマスターを務めた経歴をもつダニエル・ゲーデ氏だ。例年のように来日することは叶わなかったが、スイシュー・ゲーデ氏との「ゲーデ・デュオ」による演奏をドイツで収録。日本の歌メドレーにはフローリアン・ゲーデ氏によるチェロも加わり、約1時間にわたる極上の音楽を視聴者に届けた。
 
オンラインコンサートの様子。バイオリンを奏でるダニエル・ゲーデ氏
 
ドイツにて収録された演奏が1時間にわたって配信された

 記者は毎年オーティコン補聴器が開催しているコンサートに参加させてもらっているが、オンライン開催によって補聴器業界のトレンドである「テクノロジーによる利便性の向上」を改めて実感した。リアル開催ができないという状況から生まれた新たな様式は「難聴者と健聴者が共に音楽を楽しめる」というオーティコンの思い描く理想を一歩前に進めたように思った。(BCN・大蔵 大輔)

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