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ミレニアル世代の既婚女性、「ワーク・ライク・バランス」思考が明らかに

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2020/10/07 18:00

 花王の生活者研究センターは、「ミレニアル世代」と呼ばれる20代後半~30代の既婚女性を対象に実施した、日頃の家事についての調査「ミレニアル世代の家事調査」の結果を10月6日に発表した。

2008年と2018年の調査では、仕事や育児に追われて家事への負担感が高まる一方で、
自身の時間も確保したいという既婚女性の傾向が明らかに

 2008年9月と18年9月に、首都圏在住の20~60代既婚女性(08年調査:687人、18年調査:956人)を対象に行った「生活者の暮らしに関わる意識と行動について」の調査では、「家事は、多少お金をかけても時間や手間を軽減させたい」「仕事が忙しいので家事や育児をする時間が取れない」という回答が10年で増加し、仕事や育児に追われて家事への負担感が高まっている様子がみられる。

 一方、「家事や育児のため、自分の時間が犠牲になるのもやむを得ない」が低下し、「家族のことも大切だが、その前にまず自分のことを優先的に考えたい」が上昇した。
 
ミレニアル世代の既婚女性は家事や育児で無理をしすぎず、
うまくセルフコントロールしている

 ミレニアル世代の家事調査は、20~30代の既婚女性8人を対象に、4~8月の期間に家庭訪問で行われており、限られた時間の中で仕事や家事・育児をしっかりやりながら、自分の時間も大切にするために、常に日々のスケジュールや段取りを考えて、家事の効率化を図っていることが明らかになっている。

 また、「無理をしない、完璧を求めない」というスタンスで家事の合格ラインを自分で設定し、時間に追われたり精神的につらくなったりしないよう、うまくセルフコントロールしていた。
 
ルール化や効率化などの工夫で家事のストレスを軽減

 家事にかける時間や労力をできるだけ抑えて、ストレスなくこなすために実施していることについては、夫との家事のシェアやロボット掃除機をはじめとする便利な家具の活用、家事サービスの利用などに加えて、「スーパーが混んでいる平日夕方には買い物に行かずに週末にまとめ買い」「最後に入浴する夫がお風呂掃除」といったルール化や、「収納の場所や方法を工夫して、しまいやすく・取り出しやすくする」「洗濯物はたたまずに収納」といったSNSの情報を参考にした効率化など、家事を行うタイミングや動線の工夫が挙げられている。
 
ミレニアル世代の既婚女性は「ワーク・ライク・バランス」を実現

 ミレニアル世代の既婚女性を対象にした調査からは、家事だけでなく育児や仕事など、さまざまな日々の生活でも「やりたいこと」に時間をかけて楽しむために、「やらざるを得ないこと」を効率化したいと考えていることがうかがえる。

 そのような考え方を、同研究センターでは「やりたいこと(ライク)」を楽しむために「やらざるを得ないこと(ワーク)」を効率化する「ワーク・ライク・バランス」と表現する。

 同研究所は、新型コロナウイルス感染症の影響で1日の過ごし方が変わりつつある現在、ミレニアル世代のように「ワーク・ライク・バランス」を活用して自分なりの「ワーク」と「ライク」を仕分け、そこから家事をうまくまわす仕組みを考えることを提案している。