【家電コンサルのお得な話・17】 家電選びの永遠のテーマの一つに「ランニングコストでイニシャルコストを回収できるか?」という考えがある。そして、ランニングコストによる節約や経済性よりも購入時のイニシャルコストを気にして、価格の安い商品を選ぶ顧客が多いのも事実。しかし、このコストを意識した買い物は「商品選びの一面」でしかなく、商品の購入によって得られる「便利さ」「快適さ」を合わせて比較検討することが「買い物で後悔しない秘訣」だといえる。今回紹介するDCモーター扇風機も、価格やコストのほか、生活の変化を合わせて考えたい商品だ。

家電量販店の売り場でもDCモーター扇風機が増えている

 一般的な扇風機はAC(交流)モーターを使っているが、最近の家電量販店の売り場でよく見かけるDC(直流)モーター扇風機は、乾電池と同じ直流でモーターが回転する。ACタイプに比べると、「ランニングコストが安い」「運転音が静か」「細かい風量設定が可能」などのメリットがある。

 ただ、このメリットを表面的にとらえて購入を決めると後悔することが多くなるので注意が必要だ。正直、ランニングコストの節約だけでイニシャルコストを回収するのは難しい。また、音の静かさはモーターだけでなく、羽の形状も影響するからである。
 

 では、満足できる商品選びをするにはどうすればいいのか。DCモーター扇風機がもたらしてくれる、生活の変化を想像することが重要だ。例えば、人は風が当たると体感温度が下がり、涼しく感じるため、夏場に扇風機を併用すれば、エアコンの温度を高めに設定しても涼しさを得られる。

 さらに、DCタイプを使えば、風当りも優しく、体が冷えすぎず、快適な睡眠を取ることができるので健康維持に役立つ。このように、生活の変化がもたらすメリットと価格を対比することが大切である。

 実際に、筆者も5月に生まれた孫のために、特別定額給付金でDCタイプを購入して息子夫婦に贈ったところ、ACタイプの「弱」運転よりも細かく風量設定ができ、赤ん坊の身体への負担が少なく、家族全員が安心して休めると喜んでもらえた。このように「生活の便利さ・快適さ」を考えて商品を選べば、満足度の高い買い物ができる。

 また、機種によるがエアコンは設定温度を1℃変える(夏は上げ、冬は下げる)だけで約10%の省エネにつながる。そのため、部屋の隅々まで風を送り届けられるDCタイプをサーキュレーターとして通年使用すれば、ACタイプよりも節約できる。つまり、電気代が安く抑えられる上、快適さも増すのだ。

 通常、家電量販店では7月末になれば展示・在庫処分に入るため、DCタイプもお買い得になる。価格差の大きい扇風機だからこそ、自分の生活に最適な商品選びをして、「夏本番の今」をより快適に過ごしてみてはいかがだろうか。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)


■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。