高水準で推移するも、宣言解除で「PC市場」は勢いは鈍化

【BCN速報値】 5月25日に緊急事態が全面解除となり、徐々に元の日常を取り戻す動きが出ている。全国地域で段階的に解除されるにつれて、PC市場も変化している。全国の主要家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」によると、5月第3週(5月18~24日)のデスクトップとノートを合算したPC販売台数は前年同期比141.1%と高水準にあるものの、規模の勢いは鈍化している。


 下のグラフは、2018年11月第1週を100としたときの販売台数指数を示す。これを見ると、5月に入ってから週を追うごとに規模の勢いが鈍くなってきていることが分かる。

 ゴールデンウィーク(GW)後半の5月第1週は前年比で171.1のピークになり、19~20年指数でも165.3と高かった。

 その後、指数の推移は、最初に39県で解除になった5月14日を含む5月第2週が127.7、大阪と兵庫、京都で解除になった5月21日を含む5月第3週が115.8と縮小している。

 北海道、東京、神奈川、千葉、埼玉の5都道府県の全面解除となった5月25日を含む5月第4週はどうなるのだろうか。

 BCN総研の森英二アナリストは、「全国で緊急事態宣言が解除されたが、PCの販売は依然として前年を超える高い水準で推移している。しかし、徐々に鈍化していることは否めない。今週は、前年比で120%前後になると思われる」と予想する。

 5月第4週から先は、例年ならボーナス商戦に突入して再び需要は盛り上がっていくのだが、猛暑予想も出ておりエアコンに需要を奪われる可能性もある。新型コロナやテレワーク、定額給付金、消費マインドなどさまざまな要素が複雑に絡み合っており、今夏の先行きが読みにくい状況になってきた。(BCN・細田 立圭志)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからPOSデータを通じてスマートフォンやデジタルカメラ、4Kテレビなどの販売台数・金額データを毎日収集・集計しているデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。