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東京都がPC貸し出しに84億円の補正予算、休校延長でオンライン学習に格差の懸念

経営戦略

2020/05/07 20:00

 東京都の小池百合子知事は5月5日の会見で、休校中の生徒を支援するためにオンライン学習の環境整備に向けた緊急支援としてPCなど端末を貸し出す事業に、補正予算449億円のうちの84億円を計上すると発表した。

東京都の小池百合子知事
(5月5日の会見、東京都HPより)

 国が緊急事態宣言の5月31日までの延長を決めたことを受けて開かれた会見の中で小池知事は「休校が続く中で子どもたちの学びを止めないように、オンラインの学習環境がない家庭の児童や生徒にもパソコンなどが行きわたるように都が端末を用意し、区市町村に緊急で貸し出す。そのために予算を84億円計上した」と語った。

 都では新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中で、緊急事態措置の延長に伴う対応として補正予算449億円を編成し、5月7日に専決処分した。

 そのうちの教育庁の84億円は、いわゆる公立学校におけるオンライン学習を推進していくために、学習用PCなどが家庭にない児童や生徒に向けて学校配備端末を活用しても不足する台数を都が緊急で貸し出し、通信料なども支援するという内容。

 ほかにも、休校中の子どもたちの生活や学習の習慣づけを支援するために、小学校向けテレビ番組「TOKYO おはようスクール」(TOKYO MX)を引き続き放映するための2億円も計上した。

 補正予算の多くは、休業などにより一時的な資金需要に対応する特例貸付の追加の原資として337億円が充てられる。

 新型コロナ対策による教育環境をめぐっては9月入学の議論が持ち上がるなど環境が激変しそうだ。家庭ごとのオンライン学習の格差に対する懸念も、収束が延長されるにつれて東京都だけでなく全国で高まりつつある。(BCN・細田 立圭志)