新型コロナウイルス感染者が比較的少ないアジア圏では、マスクの着用率が8割を超え、欧米に比べ突出して高いことが分かった。日本リサーチセンターと英YouGov社が世界26カ国を対象に実施した「第6回 新型コロナウイルス自主調査」で明らかになった。「公共の場ではマスクを着用する」と回答した人の割合を分析したもの。

品薄が続いたマスクだが、徐々に市中に出回り始めた(4月29日撮影、東京都・中野区)

 中国、台湾、ベトナム、日本などのアジア圏では、調査開始からマスクの着用率は6割以上を維持。直近では8割を超える着用率に達している。シンガポールでは、当初2割台だったが、感染拡大がみられた4月に入り着用率が急上昇、直近では8割を超えた。感染源の中国は別として、それ以外のアジア各国では、4月末時点での感染者数は多くても1万人台。100万人を超えた米国や軒並み10万人を超えている欧州各国に比べると、今のところアジア圏では感染爆発を免れている。

 一方、現在感染者が106万人を超え、死者とともに世界で最も被害が多い米国のマスク着用率は当初1桁台だった。その後上昇したものの、依然6割程度にとどまっている。感染者数が20万人を超え、欧州で最も感染者数が多いスペインでも、当初は1桁台。それ以降は急激に上昇したが6割台にとどまっている。スペインと並んで感染者数が多いイタリアは当初2割台だったが、直近で調査国中最高の89%に到達、感染の山は越えたといわれている。感染者16万人規模でほぼ並ぶフランス、イギリス、ドイツでも当初は1桁台で、直近でも5割を下回っているのが現状だ。
 
「公共の場ではマスクを着用する」と回答した人の比率
(「第6回 新型コロナウイルス自主調査」:日本リサーチセンター・英YouGov調べ)

 調査結果だけを見て、必ずしもマスクをすれば感染が防げるとは言いきれない。しかし、比較的感染者が少ないアジア圏ではもともとの着用率が高く、感染者が爆発的に広がった欧米では、もともとの着用率が非常に低いという傾向は明らか。しかも着用率が上がっても8割の水準にはなかなか到達していないことが分かる。やはり、感染拡大防止のため、人々がマスクをすることはかなりの効果があると言えそうだ。
 
主要国の新型コロナウイルス感染者数と死者数(worldometer・4月30日調べ)

 その肝心のマスクだが、世界中でまだ不足している。日本でも品薄を解決すべく、異業種からマスクの製造・販売に踏み切る企業が増えてきた。シャープもそのうちの1社。27日にWebサイトで不織布製使い捨てマスクの一般向け抽選販売を開始したが希望者が殺到。急きょ、増量した販売総数4万箱に対し、470万人が応募するなど、過熱感はピークに達している。一方、市中では1箱が税抜3500円前後と高価ながらも、露店や雑貨店が販売を始めた。一時止まっていた中国からの入荷が再開しているためだ。徐々に品薄状態は解消しつつある。今後も高いマスク着用率を維持できれば、欧米で起きたような感染爆発を日本は食い止めることができるかもしれない。(BCN・道越一郎)