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楽天市場、送料無料の一律導入を延期、新型コロナ感染拡大の影響で

経営戦略

2020/03/06 17:00

 楽天は3月6日、同社のECサイト「楽天市場」で「共通の送料込みライン」を3月18日に一律導入する予定だったが延期すると発表した。新型コロナウイルス感染症の影響でスタッフの不足や仕入れが困難なケースは例外とし、準備の整った店舗から開始するという。また、対応した店舗には支援策を打つ。

楽天市場の共通の送料込みラインの一律導入が延期になる

 共通の送料込みラインは、楽天市場に出店している店舗に対し、取引額が税込み3980円以上になる場合、送料を含めた金額を表示するよう求めるもの。送料込みで表示することによって利益が減ることを懸念した店舗から反対されているほか、公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで東京地方裁判所に緊急停止命令を申し立てていた。

 準備が整っていない店舗については、共通の送料込みラインの一律適用の対象にならないよう、店舗が選択できる仕組みにしている。対象外になるには、専用フォームからの申請後、「宅配便[特定送料]」を設定しなければならない。

 また、共通の送料込みライン導入から一定期間は、支援金を店舗に提供する「安心サポートプログラム」を提供する。支援額は、「利益額」「送料差額」を対象として設定する。楽天の戦略イノベーション室 川島辰吾CEOは、「もし売上が著しく減ったら、支援金などでのサポートを検討している」と説明する。

 今後、新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響や状況の変化を踏まえ、5月ごろをめどに、改めて共通の送料込みラインの方針について連絡するとしている。なお、全店導入については未定とした。