サブスク効果で常連増加、キリンビール直営店の成果

販売戦略

2020/02/05 21:00

 キリンビールは2月5日、クラフトビール専門の直営店「SPRING VALLEY BREWERY(スプリングバレーブルワリー、SVB)」の事業戦略発表会を開催した。その中で、銀座にある「BEER TO GO」で実施しているサブスクリプションサービスにも言及。同様のサービスを他の直営店にも拡大していく考えを明らかにした。

キリンビールは銀座の直営店で実施しているサブスクを
2020年に他の直営店にも拡大していく方針

 BEER TO GOで実施していたサブスクは、月額2496円で最大17種のクラフトビールが1日1杯飲める(平日限定)というもの。2019年6月の開始時点でクラフトビールブルワリー直営店で日本初だったこともあり、話題を呼んだ。スプリングバレーブルワリーの島村宏子社長は、「現在までに約250人が登録し、平均で月8回程度は来店される」と状況を報告。店員が顔を覚えやすく常連化に一役買っているという。
 
スプリングバレーブルワリーの島村宏子社長

 今後は、クラフトビールを展開する他の店舗でも展開していくが、時期やプランはまだ未定。島村社長は、「サービスの品質をさらに上げてファンを増やしていくなど、BEER TO GOで得た知見をもとに練っている最中。価格を抑えたライトプランなども構想にはある。近いうちに具体的なお話ができると思う」と語った。

 ビール市場全体が縮小する中で、クラフトビールは成長分野で26~27年までに2~3%を占めるまでに拡大すると見込まれている。特にクラフトビールを飲める店は急増しており、ファン獲得が市場拡大の重要戦略になっている。ここにサブスクがどのように絡んでくるのか。新たなビジネスモデルを幅広い業界が注視している。(BCN・大蔵大輔)