2019年、Android OSを搭載したスマートフォンの販売台数シェアで年間No.1に輝いたのは、シャープだった。全国の家電量販店やECショップのPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、シェア値は26.2%。価格と性能の絶妙なバランスが好評だ。今回で3年連続のトップシェアになるが、慢心せず、1月下旬にはハイエンドモデル「AQUOS zero2」を発売予定だ。一体どのような端末なのか、開発陣に聞いてきた。

シャープが3年連続でNo.1Androidスマホメーカーになった

 2位とは10ポイント以上の差で1位を獲得したシャープの主力は、ミドルレンジスマホ「AQUOS sense3」。必要十分な処理性能やおサイフケータイ、防水性能、キレイな画面、長時間稼働といった高い基本機能を強みにしている。その上、価格は手ごろなので、スマホ入門者やコスパを重視するユーザーから大好評。BCNランキングの日次の販売台数ランキングでは、iPhoneを追い越して1位になることもあるほど人気を博している。
 
シャープのミドルレンジスマホ「AQUOS sense3」

スリムだけどゲーム系スマホ「AQUOS zero2」、開発のこだわりを聞く

 シェアNo.1という信頼を集めるシャープが1月下旬以降に発売する予定の「AQUOS zero2」は、約6.4インチのゲーム系スマホだ。これまで同社が得意としてきた定番機能を踏襲しながら、エンターテインメントを存分に楽しめるスペックを実現。3Dグラフィックを使用したゲームや多人数と通信するゲームなど、高品質なコンテンツを満喫するにはピッタリだ。
 
1月下旬以降に発売する予定のシャープのスマートフォン「AQUOS zero2」。
スリムな見た目とは裏腹にタフな性能を備える

今回、取材に応じたのは、AQUOS zero2の開発に携わった、シャープ通信事業部 パーソナル通信事業部 商品企画部の楠田晃嗣課長、篠宮大樹主任、同事業部 システム開発部の田邊弘樹課長、関文隆技師の4人。開発陣は、AQUOS zero2を「ハイスペックと軽さを両立したゲーム系スマホ」と表現する。
 
わが子のようにAQUOS zero2を誇る開発陣
(左から、篠宮大樹主任、田邊弘樹課長、関文隆技師、楠田晃嗣課長)

 篠宮主任は、「ランキング上位やプロを目指す“ガチゲーマー”はゴツゴツとして重厚感のあるスマホを使うのかもしれない。一方で、多少課金などしつつコミュニケーションの一環として“エンジョイ”するゲーマーは、普通に使えてゲームもできるスマホを選ぶはず。そのなかでもゲームを快適に、そして存分に楽しめるのがAQUOS zero2」と、新製品の立ち位置を説明する。

“ゲーム向けのスマホ”というと、ゴツゴツとした重厚感のある見た目を想像するかもしれない。しかし、AQUOS zero2はその逆。スリムなデザインと軽量さに驚くはずだ。「大画面でありながら、重量は141g。サイズは高さ約158×幅74×厚さ8.8mmと片手でも使いやすいサイズだ。耐久性や性能は担保しながら基板を極限まで削ることで軽量化した」(篠宮主任)と、見えない部分にも決して妥協しない姿勢を覗かせる。

 軽さへのこだわりは、同スペック帯で「世界最軽量」という成果につながった。これにより、腕への負担を軽減。同時に、放熱設計を工夫することで効率的な放熱を実現し、熱制御による性能の低下を抑制している。お蔭で、長時間ゲームをプレイしても快適に楽しめるのが新製品の大きな特長だ。「なるべく長い時間、最高性能を継続できるよう、関係者が長時間ゲームをプレイして試行錯誤を重ねた結果」(田邊課長)だという。
 
スリムな見た目とは裏腹に、タフな性能を備える

AQUOS zero2が魅せる、圧倒的になめらかな映像美

 画面にはシャープが開発した有機ELディスプレイを採用している。注目すべきは画面を書き換える速度だ。通常は毎秒60回だが、AQUOS zero2は毎秒120回という速さで書き換え、なめらかな映像を実現。さらに、画面が書き替わる度に黒画面を挿入することで、残像感を抑えている。田邊課長は、「コンマ1秒を争う対戦ゲームでは、相手の動きが見えた・見えないで勝敗が分かれる。正確にとらえることで、勝率はあがるはず」と、高速な描画速度のメリットを説明する。少しでも有利に戦いたいならおススメの機能だ。

書き換え速度と同様に大切なタッチの感度も高い。1秒間に240回の周期でタッチを検出し、精密な操作を忠実に反映。「プレイ中にタッチした際、レスポンスの遅延は感じられないはず」(田邊課長)と自信を示す。

色彩表現は10億色。同部の関文隆技師は、「ゲーム会社との調整を重ね、クリエイターが意図した色を再現することができる。ゲームを本来に限りなく近い姿でプレイできるのも、独自の強み」と胸を張る。また、「アウトドアビュー」機能により、屋外でも画面を見やすいのも魅力だ。

最高の体験は「ゲーミング設定」で

 ゲームを快適にプレイするための機能は、「AQUOS便利機能」に集約されている。例えば、先述の高速な描画速度やゲーム画質に加え、ゲーム起動中の通知をブロックする機能のオン/オフの操作が可能だ。また、解像度を優先するか、なめらかな動作を優先するかが選択できる。篠宮主任は、「できるだけ他のことを気にせずゲームに集中できるよう、ゲームを閉じなくても操作できる設計にしている」と、ゲーマーの使い心地を最優先にしていることを強調する。
 
ゲーマー向けUI「ゲーミング設定」

 ゲーミングメニューの表示をオンにすれば、ゲーム中に画面上部からスワイプして引き出すスマホのメニューに「ゲーミング設定」が表示される。各ゲーミング設定のオン/オフをワンタップで切り替えられるほか、最大3時間の録画を開始するボタンを搭載。音声も同時に記録することができるので、ゲームの思い出をリアルに記録することができる。
 
画面と音声をスマホ単体で記録することができる

 スペックは、CPUが「Snapdragon 855 mobile platform」、メモリが8GBでストレージが256GB。高負荷なゲームも難なくプレイできる高性能を誇る。充電中も熱くなりすぎないよう配慮しており、いつでもどこでも最高のゲーム体験を楽しめる。

日常でも活躍

 ゲームに最適なスマホではあるが、日常での使い勝手もいい。防水/防じんはIPX5・IPX8/IP6X、おサイフケータイ/NFC、顔認証と画面内指紋認証を搭載。スピーカーは立体音響技術「Dolby Atmos」に対応し、音楽や映画などのコンテンツも迫力ある体験になる。

 カメラは、背面に有効画素数約1220万画素の標準カメラと約2010万画素の広角カメラ、前面に約800万画素のカメラを搭載。手ブレ補正機能も充実しているほか、動画を撮影すると自動でダイジェストムービーを作成する「AIライブストーリー」にも対応。生活やゲーム以外の楽しみもサポートする。
 
AQUOS zero2の背面

新規ユーザー獲得に奮闘

 「AQUOS zero2」は若年層を中心としたゲーマーに寄り添ったスマホ。3年連続のNo.1に胡坐をかくことなく、常に新たなユーザーを開拓するために挑戦し続けている。eスポーツイベントにも頻繁に協賛し、スマホゲーマーにより良いプレイ環境として「AQUOS zero2」を提案し続けてきた。海外メーカーの参入も相次ぐなか、こうした取り組みがどのような結果につながるのか。今年のシェア推移からも、目を離すことはできない。