【家電コンサルのリテールマーケティング Vol.26】消費増税後の買い控えによる売り上げの減少が起きているが、こうした時ほど細かい施策の積み重ねが大切になってくる。今回は、年末商戦需要の一つである「サークライン(丸形蛍光灯)の買い替え」を題材に、単価アップする方法を考えてみたい。


 各メーカーから発表されているLEDシーリングの普及率の推計値を見ると、おおむね25~40%程度まで多少の開きがある。これは、LEDシーリング自体が一家に一台といった商品ではなく、部屋の数だけ需要が見込める商品であるため、全体像がつかみにくく推計値に幅が生じていると考えられる。

 年末商戦は、LEDシーリングをはじめとする機器本体に加え、管球もよく売れるが、LEDシーリングの普及率が低いことを考えれば、まだまだサークラインの需要も大きく、買い替えに店舗を訪れる顧客は多いだろう。

 ここで確認したいポイントが一つ。照明コーナーでは山積み展示やPOPを展開して年末需要に向けて準備万端の態勢をとっているといえるが、まずは照明コーナーより多くの顧客が訪れる管球コーナーに「LEDシーリングへの買い替え提案POP」が貼付されているかどうかの確認である。

 通常、6~8畳で使われている32形+40形のサークラインは安いもので1000円程度、9000時間のもので1600円前後、2万時間のもので3000円前後の価格で販売されている(メーカーによる価格差はある)。これに対して、LEDシーリングは調光機能のみなら6000円前後で販売されており、この金額で機器本体も新しいものに切り替わるなら本体ごと買い替えた方がお得だといえる。

 このように「顧客が訪問するコーナーでPOP展開(ボトムの紹介)」→「コーナーまでの誘引(この場合は照明コーナー)」→「コーナーでの単価UP(調色機能など)」というストーリーづくりが大切である。

 管球とLEDシーリングの組み合わせによる消耗品と機器本体というパターンだけでなく、多くの顧客が来るコーナーで他のシーズン性のあるカテゴリーを訴求するなど応用すると効果が期待できるだろう。

 このように、顧客のためになり、店舗も単価アップが図れるという双方にとってメリットのある展開に工夫を凝らすことが、増税後の年末商戦で売上高を積み重ねていくポイントになると筆者は考えている。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)


■Profile

堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。