松山大会あらため愛媛大会――。4回目を迎えたU-15プログラミングコンテスト愛媛大会が8月10日に開催され、その名にふさわしい盛り上がりをみせた。 

U-15プロコン愛媛大会の会場、松山工業高校

 今年はスタートから違った。7月から8月にかけて3回行われた事前講習会には、80人を超える子どもたちが参加。8月10日の大会は58人がエントリするというかつてない規模になり、昨年と同じ松山工業高校の会場は満員になった。この背景には、子どもたちや親御さんたちのプログラミング学習への意欲の高まりがあるが、それだけではない。昨年から大会の協賛企業に入った松山市に本社を置くシステムインテグレータ、アイサイトの仙波克彦社長が中心になって働きかけたことで、愛媛県や愛媛県教育委員会、愛媛県市町教育委員会連合会、松山市教育委員会、愛媛大学工学部などが後援に入り、彼らを通じて子どもたちのもとに情報がより届きやすくなったことが寄与している。 
 
会場は小・中学生で満員。大人は立って観戦

 大会運営を手伝うのは、事前講習会でもチューターを務めた松山工業高校メカトロ部の部員のみなさん。今年は顧問の山岸貴弘教諭とのかけ合いでゲームの実況もこなす活躍だった。司会も松山工業高校放送部の女子部員3人が交代で担当した。

  午前9時。松本統一郎実行委員長の開会あいさつに続いて、県教育委員会の田坂文明義務教育課課長が中村時広愛媛県知事からの期待と励ましのメッセージを読み上げ、参加する子どもたちはちょっと緊張した面持ちで聞き入る。それを高橋寛愛媛大学工学部長、西岡誠松山工業高校校長のスピーチが柔らかなトーンでほぐして山岸教諭による大会使用ゲーミングプラットフォーム「CHaser」の解説につなぎ、いよいよ予選が始まった。 
 
今年は松山工業高校メカトロ部員も実況・解説

 予選は実行委員会が用意したボットとの対戦で得点を競い、上位8人――小学生4人、中学生4人――が決勝トーナメントに臨んだ。先手・後手を入れ替えて2回戦う決勝トーナメントは、マップ(戦うフィールド)が大きくなり、ターン数(動きの数)が多くなることで、相手の上にブロックを置いて勝つと同時に高得点を得るプット勝ちの機会がふえる。スムーズな動きで効率よく得点を重ね、予選を通過した子どもたちのプログラムは、決勝トーナメントでも熱い戦いを繰り広げた。

  準々決勝、準決勝を経て、決勝に進出したのは、中学校2年生の北山凛さんと小学校5年生の山田実和さん。1回戦で終了間際にプット勝ちを収めた山田さんが2回戦は落としたものの、プット勝ちの効果で優勝に輝いた。山田さんは、「信じられない」と言いながら、ちょっとはにかんだ表情を浮かべて勝利を喜んだ。山田さんは、来年1月24日に開催されるBCN ITジュニア賞表彰式に親御さんお一人とともに招待され、BCN ITジュニア U-16賞を受賞することになる。
 
優勝した山田実和さんと応援のお母さん

 参加者のうち、小学生が半数以上を占めたU-15プロコン愛媛大会。松山、愛媛、日本の将来を担っていく子どもたちが、新たな成長へのとば口に立った。大会を引っ張る松山工業高校メカトロ部のみなさんと山岸教諭の奮闘によって、来年の大会はさらに規模を拡大し、応援団の姿もふえていることだろう。

(文・写真:ITジュニア育成交流協会 市川正夫)