「中国の駐在員は2人しかいないのに、国際専用線を引くほどコストをかけられない。しかし、日本の本社のクラウド環境にアクセスするのに通信状況が不安定で業務に支障をきたす」――。こんな悩みを抱えるグローバル企業は少なくない。日中で国際通信サービス事業を展開する縁通は7月から、海外駐在員向け「IX-Router Mini」のサービス展開を本格的に開始した。

日中の通信が安定する縁通のIX-Router Mini

 IX-Router Miniは、サイズがとにかく小さい。縦55×横55×高さ22mmという手のひらに収まるほどコンパクトで手軽に持ち運べる。使い方は、ノートPCからのUSB電源供給とLANケーブルを接続するだけで、安定した通信環境が実現できる。

 中国国内でのネット通信は問題なくても、海外と通信する際に不安定になることが多い。縁通の木村聡哉執行役員営業部長は、「通常のインターネット回線を使っていると、日報すら決められた時刻まで送れないというケースも少なくない」と語る。

 なぜ、縁通の通信システムだと途切れることなく安定した通信回線が確保できるのか。木村営業部長は、「ビジネス専用に特化した当社の国際通信サービス『IX-NET』と、中国国内の大手キャリアのインターネット網を活用することで安定した通信インフラを可能にしている」と説明する。

 仕組みはこうだ。ノートPCなどをIX-Router Miniにつなげば、中国国内のローカルインターネットであるチャイナ・テレコムやチャイナ・ユニコム、チャイナ・モバイルなど、大手通信キャリアの回線を使いながら、縁通のアクセスポイントまで最適につなげてくれる。ルータが日本への通信にIX-NETを通るよう、指示してくれるわけだ。

 ちなみに、通信スピードは平均1~2Mbpsで、日本のクラウド環境へのアクセス、ビジネス用途の書類のやり取り、ビデオ会議など、途切れることなく支障をきたさないという。
 
独自の国際通信システムのIX-NETを使って通信の安定性を確保

 IX-Router Miniは、1台でPCなど5台までつなげることができる。月額は税別1万5000円(最低3カ月からの契約)。通常の国際専用線だと開通するまでに1~6カ月かかるところ、1~5日というスピード開通が可能だ。1週間の無償検証ができるのもうれしい。

 大手企業では、日鉄エンジニアリングなどで採用実績がある。国内でクラウドサービスのboxを使っていたが、中国からアクセスするとつながったり、つかながらなかったりするケースがあったという。ログイン画面すらアクセスできないという、ひどいときもあったが、IX-NETシステムを使うことで、こうした問題が解消された。

 大手企業だけでなく、むしろスタートアップなど現地事務所とのやり取りで業務スピードが求められるような会社でも活用が期待できそうだ。