「なに、このカメラ、面白い!」。親と一緒にブースに立ち寄った子供たちが目を輝かせながら、カメラ本体から細長く伸びた筒を木の穴の中に入れる。その中の様子やそこで暮らす虫などを手元のモニターで確認しながら写真を撮ったり、動画を撮影したりする。

ニコンの試作機「たんけんカメラ」で木の穴の中を観察

 8月3日と4日に東京ビッグサイトで開催された、大人から子供まで楽しめるモノづくりの祭典「Maker Faire Tokyo 2019」にニコンが出展した「たんけんカメラ」の周りは、親や子供たちで賑わっていた。

 ニコンのデザインセンター Life Imaging Labの奥山哲平氏は、「製品化は未定だが、こんなカメラはどうだろうということでプロトタイプを作ってみた」と話す。
 
ニコンの「たんけんカメラ」の試作機

 Life Imaging Labは、今年4月に立ち上げたばかりのチームで、設計やデザイン、マーケティングなどの各部署から6人が集まった。たんけんカメラは、日ごろの仕事のしがらみなどから開放された自由な発想やアイデアを出し合って作ったという。コンセプトは「ムシのかんさつが楽しくなるカメラ」。プロトタイプとはいえ、ここまで仕上げてしまうのは、さすがニコンだ。
 
ニコンのデザインセンター Life Imaging Labの奥山哲平氏

 詳細なスペックは非公表とのことだが、筒の先にあるレンズの周辺に四つのLEDライトが搭載されているため、穴を覗いても明るく照らして中の様子が分かるようになっている。昆虫や花などの被写体を、好奇心の赴くままに様々な角度から接写して楽しむことができる。
 
 
思い思いの角度から昆虫や花を接写できる

 昆虫撮影専門の写真家などが使うでデジタル一眼レフは何十万円もする高額なもので、そんな高額なカメラを子供たちに買い与えることはできない。たんけんカメラなら、気軽に親子で公園などを探検しながら使うことができる。夏休みのムシの観察日記などでも十分に活躍しそうだ。

 持ち運ぶときにカメラ部分が脱着できるようにするなど検討すべきことはあるが、クラウドファンディングで出資を募るなどして製品化されることに期待したい。(BCN・細田 立圭志)