【なぐもんGO・15】 東日本大震災から明日で8年、その後も大きな地震が全国各地で発生している中、自分が住む地域だけが安全などということはない。今回は、実際に防災体験学習施設を訪れた体験をもとに、家電の地震や災害対策について考えてみた。家具や家電などの転倒を防ぐことは大切だと思っていたが、それだけでは対策として足りないことがわかった。

防災体験学習施設で大震災発生後から避難までを体験した

まずは転倒対策

 地震が発生したと仮定した場合、家電の危険性で真っ先に頭に浮かんだのは、テレビや冷蔵庫などの転倒・落下だ。対策の有無でどれほど被害に差が出るのか、東京・有明の防災体験学習施設「そなエリア東京」で確認してみた。
 
東京・有明の防災体験学習施設「そなエリア東京」

 そなエリア東京で大型地震の発生から避難までを疑似体験したところ、対策をしていない家は、家中の家電・家具が倒れていた。倒れてくる物の下敷きになったらけがをするどころか、逃げ道も塞がれる。助かる確率は低そうだ。一方、対策をしている家の家電はほとんど動いていなかった。壁掛け時計は落ちていたが、机の下にいれば大きなけがは負わずに済むだろう。この差を見たら、なおさら防災意識が高まってくる。
 
対策をしている家(左)としていない家の被害の違い

 対策済みの家の家電は、壁や床に金具などで固定されていた。確実に固定できるのは理想的だが、賃貸では難しい。簡易的な対策としては、地面と家電の間に新聞紙や段ボールを挟んで家電を壁に寄りかからせ、前に倒れるのを防ぐ方法がある。我が家でも実践しているが、対策をしていない家の惨状を思いだすと、これでは少し心もとない気がしてきた。

 そこで、「ビックカメラ新宿西口店」の防災・減災グッズ売り場に行ってみた。照明コーナーを担当している藤野英明氏に手軽な対策について尋ねると、「プロセブンマット」という商品を推された。「家電と地面の間にはさむように貼れば、震度7まで転倒を耐えられる」のだという。店舗によっては、マットを貼ったテレビを斜めに設置して転倒防止性能を訴求しているそうだ。これは頼りになると思って購入することにした。
 
「ビックカメラ新宿西口店」の防災・減災グッズ売り場
プロセブンマット

家電による危険は2度訪れる

 転倒には備えたが、地震発生後にも備える必要がある。藤野氏は、「地震が発生したら、身の安全を確保した後にブレーカーをオフにした方がいい。停電した場合、復旧後に過電流で家電の故障や火事につながる恐れがある。ブレーカーに加えて、コンセントも抜いておくとより安全」と説明する。

 しかし、地震発生直後はパニックでブレーカーをオフにするのを忘れてしまうかもしれない。そんな時に役立つ製品として藤野氏が紹介するのが、震度5強相当の地震で自動的にブレーカーがオフになる「感震ブレーカー」だ。二次災害を防ぐことができるので、家の安全確保につながるだろう。なお、冠水した家電は通電しないよう注意したい。
 
感震ブレーカー

 テレビや冷蔵庫など各家電売り場には、それぞれの製品にあった防災グッズが置かれているので、購入時にはチェックしてみるのがおススメだ。

日ごろの備えも大切に

 防災・減災グッズ売り場にはほかにも、家に穴をあけることなく家電を固定できる「プロセブン L型ストッパー」や、振動で冷蔵庫が開閉しないようにする「冷蔵庫ヤモリ」、転倒防止伸縮棒などがあった。同じ場所に並んでいる火災報知器も、防災家電には欠かせないアイテム。電池寿命は10年なので、定期的に交換することが防災につながるはずだ。
 
火災報知器も定期的に交換するのがおススメ

 またビックカメラでは、懐中電灯や手回し充電式ラジオ、乾電池、モバイルバッテリー、メガホンなどの通電製品だけでなく、非常食や飲料水、防災頭巾、携帯トイレなどの防災グッズも取り扱っている。
 
懐中電灯と非常食の需要が特に高いという
 
ビックカメラでは非常時持ち出し袋なども取り扱っている

 防災グッズを揃えるだけでなく、緊急時における家族との連絡手段や、避難場所を確認することも忘れてはならない。もしもの時はいつ訪れるかわからないのだ。(BCN・南雲 亮平)