省エネ+創エネのZEHが集合住宅にも

販売戦略

2018/09/10 16:00

 兵庫県芦屋市で建築中の大京の新築マンション「ライオンズ芦屋グランフォート」は、経済産業省の定める「Nearly ZEH-M(ニアリーゼッチマンション)」として、日本初のBELS(ベルス)評価書(住棟単位)を取得した。

 住戸単位のBELS評価書においても全戸分のNearly ZEHを取得、CASBEEの最高位「Sランク」も取得した。なお、建築物省エネルギー性能表示制度「BELS」の性能評価は☆の数で5段階で示される。
 
各住戸に太陽光パネルと蓄電池を搭載し、エネルギーを創る

 経済産業省は、2017年に「集合住宅におけるZEHロードマップ検討委員会」を立ち上げ、今年5月にZEHの集合住宅版となるNearly ZEH-Mを策定した。「ライオンズ芦屋グランフォート」は、5階建ての中層集合住宅として、日本初のNearly ZEH-Mとなる。
 
日本初のNearly ZEH-Mとなる「ライオンズ芦屋グランフォート」の外観

 具体的には、外皮性能の向上、アルゴンガス入りLow-E複層ガラスの高性能アルミ樹脂複合サッシや次世代燃料電池「エネファーム」の導入などによって、全戸平均32%の省エネを実現した。また、屋上に設置した共用の太陽光発電、戸別太陽光発電によって、全戸平均48%の創エネも実現した。これらの省エネ+創エネによって、1次エネルギー消費量を約80%削減し、中層住宅では実現が難しかったNearly ZEH-Mの基準である「1次エネルギー消費量75%以上削減」を全住戸で達成している。

 あわせて、蓄電池を含む専有部の創蓄エネルギーシステム、共用部の創蓄エネルギーシステム、タイマー制御による電力供給によって、電気・水・ガスのインフラが途絶しても7日間以上生活を持続可能な「SONA-L SYSTEM」、生態系を保全し、自然の力を活かす「生物多様性の保全&ライオンズパッシブデザイン」という3つの取り組みを実施した。
 
3つの取り組みと仕組み

 このほか、宅配物の再配達ゼロを目指した世帯カバー率120%の住戸専用宅配ボックス「ライオンズマイボックス」や、地域情報・災害情報を発信する共用部デジタル掲示板「スマートインフォメーションボード」の導入などによって、住生活の質の向上を目指した。

 地下1階、地上5階建てで、総戸数は75戸。専有床面積は67.96~120.80m2(2LDK~4LDK)。竣工予定は2019年5月、入居開始日は19年6月。9月10日現在、先着順で2LDK/3LDK/4LDKの3戸を販売している。販売価格は4570万円~5590万円。