言葉が通じない海外で活躍する翻訳機。よく話題に上るのはログバーの「ili(イリー)」とソースネクストの「POCKETALK(ポケトーク)」だ。同じ翻訳機でも、iliは瞬間翻訳機、POCKETALKは双方向翻訳(通訳)機を自称し、差異化を図っている。具体的な機能の違いを整理する。

ログバーの「ili」(左)とソースネクストの新製品「POCKETALK W」の違い

一方向か、双方向か

 iliは、日本語を外国語に訳す、一方向の翻訳が特徴だ。相手が「はい」「いいえ」で答えられる簡単なやり取りならできる。ログバーが一方向と双方向の使用率を比べる実証実験を行ったところ、80%が一方向を選ぶ結果になった。双方向翻訳機には、通訳機を相手に渡して使用方法を教える手間、盗難のリスク、相手が忙しい店員だったらそもそもゆっくり会話できるか、といったハードルがあるという。

 POCKETALKは、日本語を外国語に、外国語を日本語に訳せる、双方向の翻訳が特徴。会話を仲介できることから、“翻訳機を超えた、夢の「通訳機」”をキャッチフレーズにしている。ある程度の長文にも対応するため、旅行以外にもビジネスや商談で使用されることもある。

オフラインか、オンラインか、翻訳スピードにも違い

 ネット接続の有無についても違いがある。iliは、世界で初めてインターネット接続が不要な翻訳機。「使いたいのにネット接続が上手くいかない」といったトラブルを避けることができる。オフラインで処理するので、最速0.2秒と翻訳スピードが速い点も強みだ。一方、出力言語は英語、中国語、韓国語の3言語のみ。
 
iliの特徴

 翻訳スピードではiliに比べて若干の引けをとるものの、クラウド上で翻訳するからこそ、対応言語数が多いのがPOCKETALKの強みだ。9月に発売する最新の「POCKETALK W」は、73か国語に対応。翻訳スピードも従来機種より4~7倍速くなっている。電源を入れただけで、世界105の国や地域でネットに接続できる「グローバルSIM」を搭載したモデルを展開しているので、Wi-Fi接続の手間を省くこともできる。
 
従来機種のPOCKETALKとPOCKETALK Wの比較

テキスト化の有無

 iliは音声のみの翻訳。POCKETALK Wは入力した音声をディスプレイに文字で表示するので、しばらく前の会話を遡って確認できる。将来的には、スマートフォンやタブレット端末など、ほかのデバイスでテキストとして無制限に確認できるようになる。

使い勝手

 iliは翻訳開始のボタンが一つだけなので、シンプルでわかりやすい使い勝手。「海外旅行者の多くは40代から70代」であるとして、デジタル製品に精通していなくても迷わず使えるよう工夫した。
 
瞬間オフライン翻訳機「ili」

 POCKETALK Wは、自分が使う言語を入力するボタンと、相手が使う言語を入力するボタンの二つ。従来機種はタッチ操作だったが、「しっかり操作できているのか不安」といった指摘を受け、押しボタン式に変更して操作感を向上させた。
 
双方向翻訳機「POCKETALK W」

価格

 それぞれの税別の実勢価格は、iliが1万9800円、POCKETALK Wの本体のみが2万4880円、2年間使えるグローバルSIMを搭載したモデルが2万9880円。両製品とも、空港やオンラインショップでレンタルすることもできる。家電量販店の店頭で体験もできるので、翻訳機が必要とする際は参考になるだろう。(BCN・南雲 亮平)