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【CM・意識調査から考える】見直したい家電の買い替えの理由付けとデザイン観

 【<連載>CM・意識調査から考える】 調査会社のマーシュが2018年2月に全国の男女500名を対象にインターネット上で実施した「家電の満足度に関する調査」によると、「住まいのインテリアや空間づくりで何を一番重視していること」は「落ち着き(居心地)」が54.8%で最も多く、「シンプルさ・ミニマルさ」が20.4%で続いた。


 また、「最近、デザインが洗練されていると思う家電製品」を一つ挙げてもらうと、「冷蔵庫」(24.2%)と「掃除機(ロボット掃除機を含む)」(23.8%)が1位・2位に並び、3位は「電子レンジなどの調理家電」、4位には、壁掛け可能な薄さやスリムベゼルなど、メーカーがデザイン性を強く訴えている「テレビ」が続いた。対して、エアコンは5.4%にとどまり、「その他」を除くと、ダントツで最下位だった。
 

冷蔵庫はインテリアを意識したデザインに

 実際、最近の冷蔵庫は、機能や大容量の収納力に加え、通常時は表示されない操作パネルや、インテリアになじむすっきりとしたデザイン、高級感あるメタリックなカラーなどもアピールポイントの一つとなっている。

 例えば、パナソニックの「パーシャル搭載冷蔵庫 NR-F604WPX/NR-F554WPX」のミスティダークグレーは、国内の冷蔵庫で初めてドア表面にフロスト加工を施した「フロストガラスドア」を採用。マットな質感ながら表面はガラスのような滑らかな手触りで、使い勝手も高めたという。
 

 また、アクアは、表面に光沢のある黒いガラス素材を採用し、冷蔵・チルド・冷凍の3モードが切り替えられるファン式冷凍庫「COOL CABINET(クールキャビネット)」を5月16日に発売した。冷凍庫の容量不足を補うためのサブ冷凍庫の扱いで、寝室、書斎、リビングなど、家中のどこに置いても違和感のないデザインが特徴だ。
 
冷蔵保存品や冷凍食品のまとめ買い専用庫にもなるアクアの冷凍庫「COOL CABINET」。
ガラス扉で、まるで家具のようなデザインに仕上げている

 税別の実勢価格は、134Lの「AQF-GS13G」で6万円前後、153Lの「AQF-GS15G」で7万円前後。いま使っている冷蔵庫はまだ正常に動作するものの、家族や一度に買う量が増え、容量が足りないと感じている家庭では、2台目として「COOL CABINET」は最適だろう。
 
設置場所と活用法は工夫次第(設置イメージ)

常識を変える新提案に期待

 個人的な実体験から、家事のストレスや自宅の居心地の悪さの大半は、もっとも使用頻度の高い冷蔵庫の設置場所や収納力の少なさ、デザインの無粋さにあると考える。同様に、冷暖房の効きが悪かったり、動作時に異音がしたりするエアコンもストレスの原因になる。何より従来の無粋な白一色のデザインは飽きやすい。

 定番のホワイトに加え、さらに珍しいダーク系のカラーも選べるダイキンのルームエアコン「risora(リソラ)」は、冷蔵庫や炊飯器、トースターなど、他の家電やキッチン用品が機能性の追求だけではなく、デザインにも力を入れているなか、旧態依然としたエアコン業界に一石を投じる提案というわけだ。
 
「risora」の製品紹介ページでは、部屋のテイストにあわせてカラーを選べる。
シミュレーションするだけでも楽しい

 エアコンの場合は、クリーニングや修理で不具合や性能劣化が治る可能性もあり、設置工事費を考えると、頻繁な買い替えは現実的ではないかもしれないが、電源コードとアースをつなぐだけの冷蔵庫は、もっと柔軟に買い替えたり、買い増したりしてもいいはずだ。どこにでも置ける「2台目」ポジションを明確に打ち出した、アクアの「COOL CABINET」が、世間に広く定着している「冷蔵庫は一家に1台」という常識を覆す契機になるのか。他社の動向を含めて注目したい。(BCN・嵯峨野 芙美)