【不定期連載・重みを増す「ネット対策」~今、起きていること】 国内で人気のSNSの一つ、Twitterをチェックすれば、いま、ネット上で「何」が話題になっているのかわかる。「おすすめトレンド」欄には、その瞬間、多くのTwitter利用者がツイートしている人物名や作品名、事件などのキーワードや、#から始まるハッシュタグが並び、ハッシュタグをたどれば、後から盛り上がり具合を把握することも可能だ。

201712261142_1.jpg

【連載第6回】人気化すると自然発生するハッシュタグ

 Twitter Japanは12月5日、ジャンルごとに、2017年に国内のツイートで最も多く使われたハッシュタグ・アカウントトップ10を発表。また、23日には、膨大なツイートデータを分析したランキングとともに、今年の話題を振り返るイベント「#Twitterトレンド大賞」に全面協力。現在、Twitter上では、田村淳さんがメインMC、叶美香さんがMCを務め、多くのゲストが登場したイベントの模様をリプライ配信している。
 
201712261142_2.jpg
「#Twitterトレンド大賞」の各賞の結果

 「#Twitterトレンド大賞」は、年間で最もツイート数が多かった日「デイ・オブ・ザ・イヤー」をはじめ、「エンタメコンテンツ・オブ・ザ・イヤー」「トレンド・オブ・ザ・イヤー」「リツイート・オブ・ザ・イヤー」の4部門で構成。「エンタメコンテンツ・オブ・ザ・イヤー」では、1月1日~11月30日のツイート数やリツイート数から算出した「話題量」をもとに、映画やアニメなどジャンルごとに作品を選出し、年間で最も話題量が多かったドラマ作品「DRAMA of the year」には、17年にツイートされたテレビ番組関連ハッシュタグで5位だったNHKの大河ドラマ『おんな城主 直虎』が輝いた。
 
201712261142_3.jpg
テレビ関連で、2017年に多く使われたハッシュタグ トップ10

 Twitter上では、大河ドラマに関し、『真田丸』が放送されていた昨年は「早丸」「本丸」「遅丸」、今年は「早虎」「本虎」「遅虎」「再虎」といった略語が多く使われていた。ハッシュタグ「丸絵」「虎絵」がつけられた、プロの手によるものやプロに匹敵する高クオリティのイラストも多数見かけた。

 「早丸」「早虎」は日曜18時のBSプレミアムでの放送、「本丸」「本虎」は日曜20時の地上波での本放送、「遅虎」は録画での視聴、「再虎」は録画の再視聴を指す。作品に言及するツイートは地上波での放送直後が最も多い。ほかにも、「ぼったま」「冷た家老」など、作中のセリフや登場人物の愛称にちなんだハッシュタグが毎回生まれた。こうした関連ハッシュタグは、誰が音頭を取ったわけではなく、ごく自然に発生し、連鎖するように多数の感想ツイートが流れていく。

 一部の企業は、広告・宣伝媒体としてSNSを重視し、「Facebook」「Twitter」「LINE」、そして「インスタ映え」で知られる「Instagram」、日本国内でメジャーな4つのSNSでそれぞれ公式アカウントを開設し、特性や利用者層にあわせたプロモーションを展開している。「#Twitterトレンド大賞」が示す通り、「モーメント」や「おすすめトレンド」を通じて旬の話題や人気を可視化するTwitterに求める役割は、広い層へのリーチとリツイートによるさらなる拡散、そしてハッシュタグによる「ネタ化」だ。
 
201712261142_4.jpg
NHKのドラマ『おんな城主 直虎』はツイート数は1位だったが、ドラマ視聴率トップ10には入っていない

 『おんな城主 直虎』は、なかなか意欲的で、大河ドラマの新しい息吹を感じさせるエンタテイメント作品だった。劇伴音楽や主役から脇役まで役者陣の好演も光った。それでも、日曜夜にTwitterのタイムラインをチェックする習慣がなく、毎週「#おんな城主直虎」やその関連ワードがホットワードの上位に入っていたと知らない人にとっては、17年の代表作といわれてもピンとこないだろう。「#Twitterトレンド大賞」の表彰式でも、ツイート数ランキングトップ10と視聴率トップ10の違いが大きく取り上げられていた。

 このところの4K対応テレビの好調な売れ行きや画面サイズの大型化には、2年連続の大河ドラマのヒットも少なからず影響していると考えられる。「#Twitterトレンド大賞」のドラマ部門1位獲得は、この仮説を辛うじて裏付けるデータとなった。(BCN・嵯峨野 芙美)