テレビの薄型化が進み、内蔵するスピーカーの音質に対する不満が表面化するなど、ユーザーの「音」への関心が高まっている。簡単な設置性と低価格を軸にサウンドバーをテレビの「補完」製品として提案すれば、多くのファミリー層を新規開拓できるポテンシャルを秘めている。

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テレビの「補完」で普及に期待
「視聴スタイル」の変化も後押し


<参加企業一覧>
https://www.bcnretail.com/market/detail/20171031_43807.html

台数・金額で前年割れも「新しいニーズ」に手応え

 全国の主要家電量販店・ネットショップの実売データを集計した「BCNランキング」によると、販売台数・金額とも、直近1年間はずっと前年比プラスで推移している薄型テレビに対し、サウンドバーは2016年12月、17年1月こそ、台数ベースで前年同月比130%超、金額ベースでは140%を超える高い伸び率を記録したものの、直近では前年割れの月もあり、不振を脱却した薄型テレビとともに着実に伸びているとはいえない状況だ。

 しかし、前年割れといっても、メーカーの実感とは一致していない。「マーケットサイズが小さいので、月次ではブレが大きく見えるが、全体としては伸びている」と、むしろ、新しいニーズを着実に捉えている手応えを感じているという。
 
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「手軽さ」と「低価格」に「視聴環境の変化」加わる

 理由は三つある。まずはサウンドバーの手軽な設置性だ。5.1chサラウンドを楽しむため、狭いリビングや寝室にウーファーやリアスピーカーを配置する場合、ケーブルの接続や配置などに頭を悩ますことになるが、サウンドバーならテレビの前に置くだけ。設置の敷居が下がることで、より幅広いユーザーに訴求できる製品になった。実際、テレビのスピーカーだと聞き取りにくいニュースや漫才などをクリアな音声で楽しむ普段使いが増えているという。
 
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 もう一つは、「BCNランキング」によると、ここ1年間、平均単価3万円前後でほぼ一定している手頃な価格だ。「高級オーディオだと滞留在庫が気になって扱ってもらえず、都市部の店舗やオーディオ専門店などに限られてしまうが、サウンドバーは郊外の量販店でも扱っていただける」と、広域で展開する家電量販店でも扱いやすい価格帯が普及に弾みをつけている。

 NetflixやAmazon Prime ビデオなど、4K対応のプレミア映像を配信する動画配信サービスの広がりも追い風だ。自宅のテレビで映画を見る頻度が高まれば、よりいい音や迫力のある音で視聴したいと思うユーザーは増える。スマートフォンとつないでBluetoothスピーカーとしても利用でき、音楽がもっと身近になる。サウンドバーを日常的に使うユーザーが増えれば、上位機種や本格的なシアターシステムへのステップアップが狙えるのも自然な流れだろう。(BCN・細田 立圭志)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

※『BCN RETAIL REVIEW』2017年11月号から転載