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ユニットコムの端田社長が証言、マイニングブームが引き起こすパーツバブル

インタビュー

2017/07/28 18:00

 東京・秋葉原の目抜き通りである中央通りから一本奧に入ったパーツ街は、バブルで沸き返っている。ビットコインなどの仮想通貨取引で発生したマイニングブームが、より高性能な自作PCを求めるユーザーを駆り立て、PCパーツの販売増につながっているためだ。「パソコン工房」を運営する端田社長も、バブルであることを証言する。

取材・文/細田 立圭志、写真/瀬之口 寿一

前半<アキバのPCパーツ街から「反転攻勢」>から読む

千や万単位での発注もある

―― 仮想通貨の取引に要する膨大な帳票処理をサポートすることで、ビットコインなどの仮想通貨が得られるマイニングがブームを巻き起こしています。この影響で、秋葉原のパーツ街では売れ行きが増大し、PCパーツの品切れや入荷待ちが続いていますね。

端田 特にグラフィックボードの動きが顕著ですが、秋葉原だけでなく大阪の日本橋、名古屋の大須などでも、PCパーツの大量注文が入ってきます。パーツ街に店を構えている皆さんは、前年の目標をかなり上回って達成しているのではないでしょうか。プロの業者の方からの注文だと思うのですが、千や万単位での注文があります。(注文後にキャンセルがあった場合には)リスクがとても大きいので、発注者からの入金を確認してからPCパーツを調達しています。
 

「グラフィックボードは千や万単位での注文がある」と語るユニットコムの端田泰三社長

―― キャッシュを確認してから発注するとは、今時とても珍しい強気の商売ですね。

端田 納期回答が明確にできないくらい時間を要しても、入金していただける状況なので、まさにバブルです。ガチガチで商売させていただいていますが、買われる方からのクレームもなく、いろいろと条件を付けることもありませんね。市場に出回っている商品が、それだけ少ないのでしょう。テックウインドなどのMCJグループ全体でのロットが多いので、十分に調達できる強さがあります。もちろん、自社ブランドのPCやマウスコンピューター向けが最優先ですが。

―― 新しく事業化する考えなどはない?

端田 それは考えていません。あくまでもバブル時の一過性のビジネスととらえているので、売り上げがオンされても、中長期の事業計画に反映するわけではありません。それよりも、e-SportsをはじめとしたゲーミングPCやVR動作推奨PC、クリエイター向けPCなど、お客様の購買ニーズの多様化に対応していくことが大切です。また、ECを中心とした販売に、全国73拠点の店舗スタッフによるフィールドサーポートやVRの体験コーナーなどをクロスさせた事業戦略に力を注いでいきます。

<サポートが粗利益を押し上げる>に続く