今夏の節電目標は、オフィス、家庭とも昨年比15%の削減。効率よく節電するには、できるだけ消費電力の大きい家電を使わないようにすることだ。そこで、最も消費電力が大きいエアコンの節電方法を紹介しよう。

 まずは、どの家電が、どのくらいの割合で電力を消費しているのか確認しておこう。資源エネルギー庁「エネルギー白書2006」によると、家庭のなかで最も年間消費電力量が多いのはエアコンで、全体の25.2%を占めている。エアコンは家庭全体の約4分の1の電力を使っているということだ。次いで冷蔵庫が16.1%、照明器具が16.1%、テレビが9.9%と続く。


買い替えが最も省エネ! 10年前のモデルと比べて約4割の節電



 消費電力量が大きいだけに、省エネ性能が気になるエアコン。1999年頃から、省エネ性能がぐんとアップし、その後も年を追うごとに向上している。もし、10年ほど前のエアコンを購入してそのまま使用しているのであれば、買い替えるだけで節電目標を一気に達成することができる。

 2000年モデルのエアコンは、6~9畳クラスで年間消費電力量が約1057kWh、電気代が2万3300円程度。一方、2010年モデルの同じクラスで、年間消費電力量を約640kWh、電気代を1万4000円程度に抑えることができる。約40%の節電効果に加え、9300円の節約になるのだ。


 さて、新しいモデルであればあるほど、消費電力と電気代を削減できることはおわかりいただけたと思うが、買い替えるなら、さらにエコ機能を搭載したモデルをオススメしたい。

 例えば、富士通ゼネラルの「ノクリアZ AS-Z56A2」は、リモコンの通信方式に大容量のデータを送信することができる2.4GHz帯の無線電波を採用。エアコン本体から1日1回、運転データを自動的に受信し、リモコンで電気代や運転時間を確認したり、リモコンのデータをPCに送って管理したりできる。

富士通ゼネラルの「ノクリアZ AS-Z56A2」とパナソニックの「エコナビ CS-HX401C2」

 また、パナソニックの「エコナビ CS-HX401C2」は、人、部屋、日差しなどの状況からムダを抑える独自の「エコナビ」を搭載。本体に電気代を表示する「エコ見えモニター」を備え、気になるときに電気代を確認することができる。

 買い替えるときは、カタログで「省エネ達成率」と「AFP(通年エネルギー消費効率)」をチェックしよう。どちらも、店頭の「統一省エネラベル」で確認できる。星の数が多く、AFPの値が大きいほど省エネ性能が高い。いま使っているエアコンと買い替え予定のエアコンで、どのくらいの省エネ効果や電気代に差があるのか調べたいなら、省エネ製品買い替えナビゲーションサイト「しんきゅうさん」でも簡単に確認することができる。

いますぐできる節電術、最適なモードと最適な温度設定を心がけよう



 買い替えなくても、運転モードを「省エネモード」に設定するなど、ふだんの使い方を見直したり、部屋にいないときには必ずオフにするといった心構えで、十分に節電することができる。ただ、「冷房よりも除湿のほうが省エネ」と思っている人がいるかもしれないが、これに関しては必ずしもそうとはいいきれない。

 除湿には湿度と室温を下げる「弱冷房除湿」と、湿度を下げながら室温の低下を抑える「再熱除湿」がある。弱冷房除湿は消費電力が小さく、冷房よりも節電になるが、「再熱除湿」は除湿して冷えた空気を暖めて部屋に戻す。つまり、除湿と暖房を同時につけているのと同じ状態なのだ。

 高性能モデルに搭載している「寒くならない除湿」は、この再熱除湿なので、なるべく使用するのを避けたい。どうしても再熱除湿モードを使用する場合は、冷房時よりも温度を2~3度高く設定すると節電につながる。

 温度設定も重要だ。一般に「冷房時の設定温度は28度」といわれているが、これは冷房の設定温度を1度上げると10%の省エネになるので最適。また、部屋の温度は急には変わらないので、外出時や就寝時には15分前にエアコンの運転を切って、トータルで使う時間を少しでも短くしよう。ほかにも、室外機からの放熱を妨げないように室外機の吹き出し口に物を置かないようにしたり、2週間に一回はフィルターを掃除したりといった注意は欠かせない。

 また、窓に断熱シートを貼れば2~3度体感温度が下がるし、外出時は部屋の温度が上がらないようカーテンを閉めておくのもポイント。窓の内側よりも外側で断熱するほうが効果は高いので、すだれが使えるようなら、ぜひ利用したい。

サーキュレーターや扇風機で体感温度を下げる



 エアコンと一緒に使うと効果的という理由で注目を集めているのが、室内の空気をかくはんするサーキュレータだ。2000~4000円で購入できる手軽なアイテムで、強い風を遠くまで飛ばす効果がある。エアコンとサーキュレータを併用すると、部屋全体に冷気を循環したり、冷気をすばやく目的の場所まで運んだりできるので、弱風や短時間の冷房でも涼しく感じられる。

 ただし、駆動音は扇風機と違って大きいので、就寝時の使用には向いていない。音が気になるなら、速度を変えるか、静音モデルを探そう。ハネウェルの「HFT-2114」は、運転音を夜の住宅地と同じぐらいの42dbに抑えた静音モデル。3段階の風量設定ができ、除湿にも便利に使える。

ハネウェルのサーキュレーター「HFT-2114」と東芝の扇風機「SIENT F-DLN100」

 また、部屋全体に空気を循環させることはできないが、直接肌に風を当てて体感温度を下げる扇風機もオススメだ。東芝の「SIENT F-DLN100」は、他社製品に比べて消費電力を約54%も低減した省エネ型扇風機。風量を7段階に調整することができ、レベル1の微風なら消費電力はわずか3Wだ。

 いくら節電が大切とはいえ、無理して熱中症になっては意味がない。極端にエアコンの使用を控えるよりも、賢く節電し、この夏を快適に過ごそう。(フリーライター・西村敦子)