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W杯の販売効果は!? 家電量販店の期待度を探る(上新電機編)

インタビュー

2010/06/17 19:02

 大阪に本社を置く上新電機が関東エリアで展開する店舗のうち、最大の売り場面積を誇るのが、埼玉県羽生市の「ジョーシン羽生店」だ。同店は、巨大ショッピングモール「イオン羽生」の1階に出店。ファミリー、シニア、若者など、幅広い層の人々が来店する。「サッカーワールドカップ(W杯)需要が本格的に動きだしたのは、今年5月あたりから」と語るのは、武井祐二主任。40V型以上の大型テレビの売れ行きがいいという。W杯開幕中に、「やっぱり大画面で見たい」という購入者のニーズに応えるためにも、在庫を潤沢に確保し、翌日配達の体制で臨んでいる。

価格はもちろん接客サービスの強化に注力、ライバルを意識



 ジョーシン羽生店は、2007年10月の「イオン羽生」の誕生と同時にオープン。売り場面積は、850坪のワンフロア展開だ。今年4月に周辺でオープンしたケーズデンキ菖蒲店(埼玉県久喜市)を、最大のライバルとして意識する。武井主任は、「価格調査はもちろんのこと、接客サービスをより強化する」ことなどで対抗しているという。 

関東エリアのジョーシンで最大の売り場面積を誇るジョーシン羽生店

 現在、テレビ売り場では、購入する2台のテレビの合計金額が25万円以上になったら、22V型以下の同店指定のテレビが半額になるサービスを展開。小型テレビ需要の拡大を背景に、従来からエアコンの販促策で取り入れてきた類似サービスを応用したものだ。また、0.1%低金利クレジットを期間限定で導入し、販売につなげている。さらに、液晶・プラズマテレビ、レコーダー購入者のうち、同社全店舗で合計先着3000名を対象に「シャディ カタログギフト」をプレゼントする特典を用意している。「他のお店を回って価格を比較しているお客様に、価格が変わらないなら、当店で買っていただけるようにアプローチしている」(武井主任)。 

2台の合計金額25万円以上で22V型以下のテレビが半額に

40V型から46V型の大型が売れ筋サイズ



 ジョーシン羽生店では、3月頃からW杯に向けた販売強化に乗り出した。需要が本格化してきたのは5月から。ふだんの人気はシャープのAQUOSシリーズがダントツだが、W杯のこの時期、スポーツ観戦を主目的とする人からのプラズマ人気も高くなっているという。話題の3Dテレビについては、実際に購入するのは「100人に1人程度」(武井主任)と少ないものの、パナソニックの「3D VIERA(ビエラ)」のデモ機前は、土日になると列ができるほど、関心を集めている。現状では、テレビで見られる3Dコンテンツが少ないことから、売り場では、「3Dは最上位モデルの付加価値の一つ」として、来店者に説明しているという。 

土日には「3D VIERA」のデモ機前には列ができる

 薄型テレビ売り場全体では、40V型から46V型の大型が売れ筋サイズ。LEDバックライト搭載モデルの人気が高まっている。また、テレビが売れるとレコーダーも売れるという流れが自然になってきているようだ。さらに、上位モデルのテレビを購入する人ほど、BDレコーダー、ラック型サラウンドシステムを合わせて買うケースが増えている。 

テレビが売れるとレコーダーも売れる

「W杯をすぐに大画面で」というニーズに翌日配達で対応



 武井主任は、「W杯が盛り上がると店も盛り上がる。影響は大きい」と、W杯需要に期待をかける。同店は、大型のテレビでも翌日配達ができるように在庫を確保しており、W杯開幕後に「やっぱり大画面テレビが欲しくなった、という駆け込みニーズに対応する」(武井主任)と自信を示している。 

武井祐二主任

 今夏の夏商戦は「テレビは、前年同期比120%の売上拡大を目指す」(武井主任)が、テレビはもちろんのこと、エアコンや、PCの夏モデル、冷蔵庫、洗濯機、オール電化の販売強化によって「全体の売上高は、前年同期比110%」を掲げる。(BCN・田沢理恵)

オール電化のアプローチにも力を入れている