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W杯の販売効果は!? 家電量販店の期待度を探る(100満ボルト編)

インタビュー

2010/06/14 17:22

 北陸地区を中心に家電量販店100満ボルト」を出店するエディオングループのサンキュー。その店舗の一つ、100満ボルト江戸川店は、東京・江戸川区の環状七号線沿いにある郊外型店舗だ。近隣は住宅街ということもあり、客層は3-40代のファミリーと年配者が中心。「6-7月はW杯効果で薄型テレビレコーダーでは大幅な販売台数の増加を見込んでいる」と、椎塚健治店長は期待する。

100満ボルト江戸川店

W杯商戦で3Dテレビの販売を拡大



 100満ボルト江戸川店では、W杯商戦で3D対応と大画面の薄型テレビ、ブルーレイディスク(BD)レコーダーの販売に力を入れる。

W杯商戦で販売に注力する3Dテレビ。パナソニック、現代の製品が並ぶ

 3Dテレビは、パナソニック、ソニー、韓国の現代(ヒュンダイ)の製品を揃える。店頭では、「これからは3Dの時代。今後3Dのソフトが増えてくると、これまでのテレビで見ることはできません。テレビの買い替えを考えているのなら今がチャンスですよ、とお客様に提案する」(椎塚店長)ことで販売につなげている。

ソニーの3D液晶テレビは従来型の液晶テレビと並べ、ソファに座って違いを確かめてもらう展示を行っている

 大画面テレビは従来型の46V/52V型サイズを売っていく考えだ。現在は競争で価格下落が進む、40V/42V型が売れ筋だが、「より大きな画面でW杯を観る魅力をお客様に説明」(椎塚店長)して販売増を狙う。

 レコーダーは、HDD容量500GB以上のBDレコーダーの販売に注力する。店頭では「簡単にたくさん録れるという点で訴求する。例えば、ソニーのBDレコーダーであれば、『ワールドカップ』とキーワードを登録しておけば試合が自動で全部録画できる。また、デジカメの写真を取り込んで楽しんだり、BDやDVDにダビングもできる機能もある。特に後者は、小さいお子さんがいるお客様には大きなセールスポイントになる」と椎塚店長は説明する。

BDを中心に構成するレコーダー売り場

W杯イメージのPOPやポスター、ピッチを描いた床で来店者に訴求



1階は携帯、白物家電を販売。2階では薄型テレビなどのデジタル家電を販売する

 

2階の入口には日本代表を前面に出したソニーのコーナーを設置

 100満ボルト江戸川店は2階建てで、1階が携帯電話や白物家電の売り場、2階はテレビやレコーダーなどのデジタル家電を扱う。W杯商戦に向けた店づくりは、入口から2階に向かう階段を上った売り場の入口に、サッカー日本代表やワールドカップを前面に出したPOPなどで飾り付けたソニーの液晶テレビを展示。お客様がフロアに来て、すぐにW杯をイメージできるようなレイアウトにした。

2階フロア中央では大型看板で3Dと大画面テレビでW杯観戦をアピール

 またフロア中央には、3Dテレビと40インチ以上の大画面テレビの展示スペースを設置。「スタジアムの迫力と感動を! 3D&大画面テレビで」と印刷した大型POPを天井から下げ、3Dテレビと大型の薄型テレビをお客様にアピールしている。そのほかにも、テレビを展示するコーナーの一角にサッカーのピッチをかたどったマットを敷いたり、W杯に出場する各国代表のユニフォームを印刷したポスターを天井に掲示。来店者が売り場でW杯を感じられる演出も行っている。

薄型テレビ売り場ではサッカーのピッチのマットを敷いたコーナーも

 販売促進策では、薄型テレビやBD、DVDレコーダーの購入者を対象に、優勝国を当てると1万円の商品券プレゼントや、日本が優勝すると応募者全員に1万円の商品券をプレゼントするキャンペーンを実施している。

天井には各国代表のユニフォームを印刷したポスターをぶら下げた

 椎塚店長は、「W杯を意識した店作りの効果は確実に出ている」という。「実数は非公開だが、テレビ、レコーダーの販売は見込んでいたよりも好調」と打ち明ける。ただ、「商戦が日本代表の成績頼みであるのは確か。初戦のカメルーン戦の結果次第で7月までW杯商戦が続くかどうかが決まる。何としても勝ってほしい」と話す。
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“生活シーンの販売”で他店との違いを打ち出す



 W杯商戦では競合との戦いもある。江戸川店の近隣にはヤマダ電機などが店を構える。「価格はもちろん、店頭では機能ではなく、使ったときのイメージの提案や丁寧な説明の接客を心がけて違いを出す。そういう意味で我々は『生活シーン販売業』だと思っている」と、椎塚店長は力を込める。

店舗オリジナルのラック型ホームシアター

 こうした戦略で販売成果をあげているアイテムの一つがラック型ホームシアターだ。江戸川店では、テレビ台メーカーのヤマキヨが製造したラックにオンキヨーのサラウンドシステムを組み込んだオリジナルのラック型ホームシアターを販売しており、薄型テレビの購入者に割安で提供している。

売り場の一角に設置したホームシアターの体験コーナー

 現場では、薄型テレビの購入者をフロアの一角に設けたホームシアターの体験コーナーに案内。テレビの映像と臨場感溢れる音を体感してもらっている。これで「多くのお客様は購入してくれる」(椎塚店長)という。また、「『ホームシアターのことを教えてくれた店はここだけ』と感謝されたこともある」。販売は好調で「収益の大きな部分を占めるようになっている」と、椎塚店長は話す。

サイズごとで最適な視聴距離が一目でわかるコーナーも設けた

 生活シーン提案では、薄型テレビの購入者に向けてテレビの画面サイズごとの適正な視聴距離がひと目でわかるコーナーもつくった。こちらもお客様からの反応は上々だという。「価格に厳しいお客様が増えている。他店と価格面で戦っていくのはもちろんだが、こうした取り組みを通じて、お店のファンづくりにつなげたい。実際、当店を選んでくれるお客様もかなり増えてきている。この取り組みはずっと続けたい」と椎塚店長は意気込んでいる。(BCN・米山淳)

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