「iPod」ユーザー必携の音楽管理ソフト「iTunes」。「iPod」をPCにつなぐだけで自動的に起動し、楽曲を転送してくれる便利なソフトだ。しかし、そのシンプルな操作ゆえに、「iPodに楽曲データを移すためだけの道具」としてしか使っていなかった人が多いのではないだろうか。もっと「iTunes」を活用して、音楽ライフを便利に、スマートに楽しもう!

●「iPod」のための機能が詰め込まれた「iTunes」

 現在公開されている「iTunes」の最新版は「iTunes 7.5」。9月発売の第6世代「iPodシリーズ」に合わせ、チューンアップしたバージョンだ。最新の「iPod touch」や「iPod classic」、第3世代「iPod nano」は、これまでは「iTunes」でしかできなかった、CDのジャケット写真であるアルバムアートの「Cover Flow」に対応したことでも話題になった。

 しかし、この「Cover Flow」、実は「iTunes」では06年9月から搭載している、言ってしまえばフツーの機能。今回の新「iPodシリーズ」は、「iTunes」で実装していた「Cover Flow」機能を流用するかたちで搭載したのだ。「iTunes」は、このような「iPod」と共通の機能や、「iPod」をより快適に使うための豊富な楽曲管理機能を搭載している。今回は、この「iTunes」をもっと使いこなすため、ひいては快適な「iPod」利用のため、知っておくと便利な機能を紹介しよう。



●ライブラリの整理が楽しくなる「Cover Flow」

 まずは、「iTunes」の機能のひとつであり、先ほども述べた「Cover Flow」。これはライブラリにアルバムアート=CDのジャケット写真を3Dで表示し、画面上でCDを手でめくる感覚で選択できるちょっとお洒落な機能。画面上部に3つ並んだ「表示」ボタンのうち、右端のボタンを選ぶと、この「Cover Flow」が表れる。キーボードの矢印キーか、マウスで表示されたジャケット写真を直接クリックすると、順次ジャケットが切り替わり、楽曲やアルバムを選択できるのだ。

 これまで、ジャケット写真の表示はビジュアル上の付加的な要素でしかなかったが、選択という機能が加わり、ライブラリから実際にジャケットを引き出して選ぶような楽しさが生まれる。比較的画面が大きいため、PCへの負荷も大きいのではと心配したが、動作はとてもスムーズで心地よい。



●ライブラリ整理にジャケット写真を積極的に活用

 とはいえ、せっかくの「Cover Flow」も、ジャケット写真がなければ楽しめない。「iTunes Store」で楽曲を購入した場合は、自動的にジャケット写真も付いてくるが、音楽CDからファイルを取り込んだものに関しては、自分で画像を登録する操作が必要なため、いまひとつ積極的に「Cover Flow」を活用していないというユーザーも多いだろう。

 「iTunes」は、音楽CDから楽曲を取り込んだ場合でも、ネット経由で自動的にジャケット写真を取得する機能を備えている。ただし、そのためにはまず「iTunes Store」にアカウントを登録する必要がある。このアカウントを取得すれば、「Cover Flow」でブランクになっている楽曲・アルバムを右クリックして、メニューから「アルバムアートワークを入手する」を選ぶだけ。「iTunes」が自動的に該当するジャケット写真をダウンロードし、画像を貼り付けられる。

 ただし、「該当するアルバムアートワークが見つからない」と表示されたり、ベスト版などで実際のジャケット写真と異なる画像が選択されるケースもある。こういったジャケット写真が取得できないものには、自分で撮影したデジカメの画像などを貼り付けることもできる。お気に入りのCDの写真がなくてイヤだという場合でも、むしろ自分でCDに合う写真を撮影して「Cover Flow」を楽しめるので、面倒だと思うユーザーもチャレンジしてみよう。また、Mac OSユーザーの場合、通販サイト「Amazon.com」に登録されているCDのジャケット写真を自動で検索して取得する便利なツールをアップルのWebページからダウンロードできる。



●ライブラリが増えすぎて使いにくいならプレイリストを活用!

 「iTunes」に登録した曲の数が多くなりすぎて、いちいち手動で曲を選択して管理するのが面倒になってきた――そんなユーザーは、「プレイリスト」機能を使ってみよう。「プレイリスト」は、「iTunes」ライブラリ内の曲を、自由に選択し、任意の曲をひとまとめにしておける機能。「ファイル」メニューから「新規プレイリスト」を選択すると、フォルダができるので、好きな曲を選んでドラッグすればOK。作成した「プレイリスト」を選べば、リストに入れた曲だけを再生することができる。

 この「プレイリスト」の作成に便利なのがブラウザ表示機能。「表示」メニューから「ブラウザを表示」を選択すると、リストの上に「ジャンル」「アーティスト」「アルバム」の3つに分けられたウィンドウが現れる。それぞれ好きなジャンルやアーティスト名を選択すると、楽曲を瞬時に検索し、下の一覧に表示する。ブラウザ表示機能を使えば、「プレイリスト」の作成も簡単。好きなアーティストやジャンルから曲を集めて素早くリストを作ることができる。



 「プレイリスト」とは別に、より便利な「スマートプレイリスト」という機能もある。アーティスト名やジャンル、演奏時間やユーザーによる曲の評価など、条件を細かく設定し、該当する楽曲を抽出してリスト化できる機能だ。この機能を使うと、たとえば、最後に再生した日や、楽曲のユーザー評価などの項目を組み合わせ、「3日以上聞いていないユーザー評価が高い曲」や、再生回数やジャンルの項目を組み合わせた「特定ジャンル内でまだ再生していない曲」といった、さまざまなリストが作成できる。



 また、「スマートプレイリスト」作成時に、「ライブアップデート」という項目をチェックしておくと、リストの条件に合った曲を新しくライブラリに追加したとき、リストにもその曲を追加してくれる。さらに、「iPod」で曲を再生した日や回数なども、「iPod」を「iTunes」に接続したときに転送するので、同時にリストも更新される。このように、「スマートプレイリスト」は1回条件を決めておくと、常に最新の情報をもとに曲を集めてくれる賢い機能なのだ。

●ライブラリのメンテナンス機能も充実

 デジタルの音楽データは、著作権保護のため何かと制約が多いが「iTunes」はライブラリデータのバックアップ機能が搭載され、万一のときも安心だ。例えば、オンラインで購入したデジタル音楽は、そのままPC内のみに保存しているユーザーがほとんどだろうから、PCのHDDがクラッシュしてしまった場合、音楽データも消えてしまう可能性がある。しかし、「iTunes Store」のアカウントは同時に5台のPCまで認証できるので、購入した楽曲の利用権利が消滅してしまうような事態は避けられる。

 また、「ファイル」メニューから「ディスクへバックアップ」を選択すると、PCに記録されているライブラリデータのバックアップをCDなどに保管でき、万が一PCがクラッシュしても安心。別のPCにデータを移し替えてコンピュータの認証変更を行い、これまで通りに使用できる。

 PCを買い換えるときなども、同じ方法でデータをバックアップ可能だ。手動でライブラリデータのバックアップや移動を行う場合は、通常PCの「マイミュージック」フォルダにある「iTunes」フォルダをまるごとコピーして移動すれば、別のPCでもそのままの状態で利用できる。ただし、楽曲データそのものを別の保存場所から「iTunes」に登録しているのなら、コピーをとる前に、「詳細」メニューの「ライブラリの統合」を選択し、「iTunes」フォルダにデータをまとめておく必要があるので注意しよう。



 「iTunes」はこの他にも、音楽CDからMP3に曲を転送するときに、曲の前後に生じてしまう無音部分を飛ばして再生できるギャップレス再生にも対応。ライブ版のCDを再生するときなど、会場の雰囲気を途中で分断することなく楽しめる便利な機能も搭載されている。「iTunes」を活用して、デジタル音楽ライフをもっと充実したものにしよう!