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パソコンとテレビが融合する時代を見据える――第35回

千人回峰(対談連載)

2009/02/23 00:00

細野昭雄

細野昭雄

アイ・オー・データ機器 代表取締役社長

 細野 たとえば、パナソニックはアメリカでユーチューブを見ることができるテレビを発売していますし、Wiiなどのゲーム機でもインターネット上のサイトを閲覧することができます。このように、家庭内にある機器をネットワークによってつないでいくことを指します。

 家庭内にある機器をネットワークによってつなぐことでテレビが単なる「放送電波の表示装置」ではなくなり、どんどんPCでしか出来なかった役割を果たしうるようになってきています。こうした変化が進むことで、TVに表示させる動画データを貯めておくストレージ製品に対する需要が大きくなってくると見ています。

注4)パナソニックはアメリカでユーチューブを見ることができるテレビを発売:VIERA CAST対応プラズマテレビ ビエラ PZ850シリーズ。

 奥田 まさに、PCとテレビの境目がわからなくなってきますね。

 細野 そうです。現に弊社でも東芝レグザにUSB接続し、直接録画ができるタイプのHDDが全体の売上の2割近くを占めるまでになっています。レグザの場合は、外付HDDをUSBでもeSATAでも接続でき、さらにDLNA対応なので、レグザをネットワーク接続することで、家庭内ネットワーク上でPC用として使っているネットワークストレージを自動認識し、リモコンを使って録画することもできてしまいます。

 ただし、これは東芝レグザのみで、それ以外のメーカーのテレビの大半は、独自規格を適用しているため、テレビと同じメーカーのレコーダーを持っていないと、テレビのリモコン一つでは録画ができないような状態になっており、いやがおうにもテレビのメーカーに囲い込まれる形になっています。

 奥田 それは、いかにも日本的な話ですね。

 細野 ただ、DLNAは世界的にも認知度が高まりつつあり、将来的にはDLNA対応が標準となり、メーカー間をまたがった機器同士の接続・連動が主流になるのではと見ています。事実、マイクロソフトも次世代OSであるWindows 7は、DLNA対応にすると正式に表明しています。

注5)DLNA:情報家電やAV機器、パソコン産業における異メーカー間の機器が互いに互換性を持ち、家庭内で電子装置間のネットワークを可能にする業界標準(ガイドライン)。

注6)Windows 7:Windows Vistaの後続バージョンとなるOS。


 奥田 ところで、製品開発からリリースまで、御社の場合はどのくらいの期間かかるのですか。

 細野 PC周辺機器については3~4か月ですが、デジタル家電周辺の製品となると少なくとも半年から1年近くかかります。コストも3倍から4倍かかり、黎明期の市場ですので投資回収も難しく、新参者にはなかなか難しい世界です(苦笑)。

 あと、デジタル家電周辺の製品をやってみて、改めて家電メーカーがすごいと思うのは、海外での生産における品質管理についてです。ここについては、まだまだレベルが違うなと感じていますが、弊社もIPTV用のSTB(セットトップボックス)を十数万台供給したりと、徐々にではありますが、こうした経験を足がかりにレベルアップを図っていきたいと考えています。

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