「先心後技」を理念に人材育成――第21回

千人回峰(対談連載)

2008/05/12 00:00

北村正博

システックス 社長 北村正博

 北村 私も最初は、自分の言いたいことだけ言い、あまり働かない人たちなのかなと思っていました。でも、私の周りにいる人たちは違いますね。

 日本語も真剣に学んでますし、技術向上にも真剣に取り組んでいます。ソフトでいいますと、いきなりパソコンから入っているので、過去のしがらみがないからでしょうが、オープン系には強いですね。

長野県経営者協会など24の団体に関与

 奥田 ところで、冬季スポーツ、スケルトンの越和宏さんのメインスポンサーになってますね。どんないきさつからなんですか。

 北村 同じ長野県出身で、時たま一緒に飲むような関係でした。03年3月に、彼のそれまでのスポンサーが降りると言ってきたとのことで、じゃあ私が引き受けよう、と。スケルトンというのはマイナーなスポーツで、あまり知られていないんですが、相当激しい運動を強いられる。彼は文字通り、命をかけているんですね。そんなところに惹かれています。

 私としては、長野に恩返ししたいという思いが強く、映画の試写会なども実施しています。テレビコマーシャルを入れて、抽選で無料招待という形を取っていますが、これまでに100作以上公開しました。

 奥田 最近は、財界活動といいますか、そっちも熱心のようですね。

 北村 ええ。昨年11月に長野商工会議所の副会頭になりましたが、長野県経営者協会の委員長、職安の労務対策協議会副会長、病院や学校法人の理事など24の団体に関与しています。

 奥田 本業に響きませんか。

 北村 重荷になることはありますが、引き受けたら絶対に手は抜きません。

 奥田 そういうところが北村さんらしいな。今後もその姿勢を貫いて、本業ともども頑張っていただきたいと願っています。

前へ

Profile

北村正博

(きたむら まさひろ)  1947年1月11日生まれ。長野工業高校を卒業後、富士通のグループ会社である新光電気工業に入社。1970年(昭和45年)、23歳で独立、長野ソフトウェアサービスを設立。1990(平成2)年、(株)システックスに社名変更。1998(平成10)年、中国に合弁会社「北京中科喜思計算機技術有限公司」設立。長野県経営者協会など24の団体役員も務める。