「ボクがライブドアを再生させる!」と血気盛んな平松庚三社長と対談――第9回

千人回峰(対談連載)

2007/04/09 00:00

平松庚三

平松庚三

ライブドアホールディングス 社長

ゲスト:ライブドアホールディングス社長 平松庚三 VS ホスト:BCN社長 奥田喜久男  平松さんは、昨年1月27日に開催した「BCN AWARD 2006」の表彰式に駆けつけてくれた。その年の1月24日にライブドアの社長に就任したばかり。一躍、時の人になり、テレビ局回りなど多忙を極めていた時だった。懇親会の席では、一言挨拶をと壇上に上がってもらったが、大向こうから「頑張れよー」とかけ声がかかり、会場は一気に盛り上がった。思わぬ励ましに目頭を熱くしながら挨拶する平松さん。私(奥田喜久男)は私で、苦境に立ち向かう男の姿を目の当たりにして心の震えを感じていた。【取材日:2007年3月1日 ライブドア本社にて】

 「千人回峰」は、比叡山の峰々を千日かけて歩き回り、悟りを開く天台宗の荒行「千日回峰」から拝借しました。千人の方々とお会いして、その哲学・行動の深淵に触れることで悟りを開きたいと願い、この連載を始めました。

 「人ありて我あり」は、私の座右の銘です。人は夢と希望がある限り、前に進むことができると考えています。中学生の頃から私を捕らえて放さないテーマ「人とはなんぞや」を掲げながら「千人回峰」に臨み、千通りの「人とはなんぞや」がみえたとき、「人ありて我あり」の「人」が私のなかでさらに昇華されるのではないか、と考えています。
株式会社BCN 社長 奥田喜久男
 
<1000分の第9回>

※編注:文中の企業名は敬称を省略しました。
 

BCNへの最多登場記録をつくりたい

 平松 今日はいったい、何事ですか? BCNの社長がわざわざお見えになるっていうのは…。

 奥田 実は、Webに掲載するのですが、「千人回峰」というのを企画しましてね。私が関心を抱いた方々と会って、お話を聞かせてもらおうという主旨です。目標は1000人、だから千人回峰と名づけたんです。

 平松 それはまた、すごいことを。1000人っていったらあなた、大変な数ですよ。何十年もかかってしまう。ところで、Webに載るのはいいけど、BCN本紙の「Key person」にも出させてよ。

 奥田 もう、登場してもらっていますでしょ。

 平松 記録をつくりたいんですよ。BCNへの最多登場記録ってやつを。

 奥田 検討させていただきます(笑)。

 お礼を言うのが遅くなりましたけど、昨年の「BCN AWARD 2006表彰式」へのご出席、ありがとうございました。

 平松 BCN AWARDにだけは出たいと思ってましたので、こちらこそありがとうございました。前刀禎明さん(元アップルコンピュータ代表取締役)や、エレコムの葉田さんなど旧知の方たちに挨拶できて本当に良かったです。

 表彰を受けて会場を出ようとした時、「いまの心境を一言」っていきなり壇上に上がらされて…。マイクを前に一瞬戸惑っていたら、「頑張れよー」と声をかけられて、思わず目頭が熱くなっちゃいました。

 奥田 それにしても、ネクタイを締めてる平松さんに会うのは初めてじゃないかな。

 平松 私もネクタイするようになったのは14年ぶりですよ。いきさつについては新しく出す本に書きましたが、慣れるもんですね。

 奥田 本というのは?

 平松 「ボクがライブドアの社長になった理由」というタイトルの本です(ソフトバンククリエイティブから3月28日発刊)。最初は「五十、六十は鼻たれ小僧」とするつもりだったんですが、それじゃ売れないよということで、このタイトルになりました。

 奥田 それにしても、平松さんの人生ってドラマがありますね。じつは、BCN本紙には、1985年11月25日号(「MSX 方向性決めるソフトの充実と流通」)で平松さんにご登場いただいているんですよ。肩書きはソニーMIPS事業本部HI事業部APS開発室課長でした。

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