「乗換案内」でBCN AWARD 2007最優秀賞を獲得した佐藤俊和社長と対談――第8回

千人回峰(対談連載)

2007/04/02 00:00

佐藤俊和

佐藤俊和

ジョルダン 社長

 奥田 上場以降、業績は好調ですね。

 佐藤 9月期決算なんですが、2006年度の売上高は対前年比29.1%増の25億7179万円、経常利益は22.7%増の5億7544万円、純利益は8.7%増の2億9123万円でした。

 今年度(2007年9月期)については、売上高が対前年同期比16.7%増の30億円、経常利益は21.7%増の7億円、純利益は32.3%増の3億8500万円を予定しています。

 奥田 業績がこれだけ伸びる最大の要因は何ですか。

 佐藤 携帯電話向けの有料サービス「乗換案内NEXT」が順調に伸びていることが大きいですね。月額210円なんですが、2006年9月末の会員数は43万4000人、2007年9月末の目標は48万2000人で、これが実現できれは売上高は10億円を突破します。

USBメモリがパソコンの新たな用途を開拓

 奥田 ところで、Windows Vistaの登場によって、この世界はどう変わっていくと思いますか。

 佐藤 乗換案内との関連でいえば、地図とのシームレスな連動というのが直近のテーマになるでしょうね。

 また、より大きな動きとしては、USBメモリの活用によるパソコンの復権があるかなと思います。当社は昨年、メモリメディアメーカーのサンディスクさんと協力して「乗換案内U3 Edition」を出しましたが、これはUSBフラッシュメモリの中に乗換案内を入れてしまい、このUSBメモリさえ持っていれば、USB端子の着いたパソコンで乗換案内を起動できるという商品です。U3スマートドライブという規格が固まったのでこんなことができるようになったんですが、いままでのようにノートパソコンを持ち歩かなくても、USBメモリさえ持っていれば、ホテルのパソコンでも、インターネットカフェのパソコンでも、自分のパソコン環境が再現できるようになります。これは、パソコンの新たな用途を開拓することになると思います。

 また、任天堂さんのWiiにも注目しています。Wiiだったら、新しいゲームソフトが開発できるかもしれないなと思い始めています。

 奥田 貴重なお話、ありがとうございました。頑張ってください。

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Profile

佐藤俊和

(さとう としかず)  1949年8月、福島県生まれ。1976年3月、東京大学工学系大学院卒業、同年4月にエス・ジー入社。1979年12月ジョルダン情報サービス(現・ジョルダン)を設立、代表取締役社長に就任。2003年4月、大阪証券取引所「ヘラクレス」に上場。