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平常時も緊急時も安心安全なポータブル電源を賢く使おう!

暮らし

2023/12/29 19:05

【注目集めるポータブル電源・Vol.2】ポータブル電源が活躍するのは屋外と自宅。アウトドアやキャンプなど、AC電源がない場所での電源確保と家庭で平常時や停電時に電源を供給するのが主な利用シーンだ。電力の供給源として便利なポータブル電源を有効活用しよう。

家電量販店の店頭には
各種のポータブル電源が展示されている

ポータブル電源を持ち運んでアウトドアをもっと楽しもう

 近年、キャンプや車中泊など、アウトドアを楽しむ人が増えている。キャンプ場の中にはAC電源がついている電源サイトもあるが、多くの電源サイトでは1000W程度の対応となっている。

 電気を使わなくてもキャンプ自体は楽しめるが、通電して使いたい家電製品が多く、家族で行くような場合は電源サイトの電力では足りないこともある。ポータブル電源を活用することで、家電製品の利便性をアウトドアに持ち込むことができる。
 
アウトドアでもポータブル電源の利用で
日頃の生活を享受できる

 例えばホットプレートやグリル鍋などの調理家電で料理をつくり、プロジェクターやタブレットで映像や音楽をアウトドアで楽しみ、スマホへ充電して翌日に備えるという過ごし方もポータブル電源があれば可能だ。寒い季節なら電気ストーブなどの暖房製品、暑い季節なら扇風機やポータブルエアコン・冷蔵庫などに電源を供給できれば快適に過ごせる。

 また、他の機器へ電力を供給するだけでなく、屋外というロケーションを利用してソーラーパネルで充電することによりバッテリ残量を増やして使うことも可能だ。
 
充電のための電源がなくても
ソーラーパネルで充電が可能

屋外での使用は直射日光や水の侵入に気をつけよう

 アウトドアで役に立つポータブル電源だが、持ち運んで使用するケースならではの注意点もある。その一つが、高温の場所に長時間置いたままにすることだ。

 車に積んでキャンプに行く場合、特に夏場は直射日光で車内の温度が上昇する。高温の車内に置いた状態で長時間放置しておくと、内蔵された充電池にダメージを与えてしまうことがある。
 
 家電量販店で扱っているメーカー・ブランドなら発火することは考えにくい。だが、ECサイトで販売している聞いたことがないメーカー・ブランドの安価な製品は、その限りではない。いずれにしても発火とまではいかなくても充電池の能力が低下してしまう可能性はあるので、車内の放置は避けたい。また、屋外でも直射日光が当たるような場所での使用は避けよう。

 もう一つの注意点は、水。海辺や川辺の使用では、ポータブル電源本体に水がかからない場所に置くことだ。ポータブル電源は入出力ポートがあり、ここから本体内部に水が入ってしまうと充放電の機能はもちろん、内部の電気回路がショートして発火する可能性もある。
 
水辺でポータブル電源を使う際は
水がかからないよう注意しよう

 水辺の近くでなくても、手洗い後の濡れた手で電源コンセントを抜き差しするのがNGであることは言うまでもない。

 ポータブル電源を屋外で使用する際は最低限上記の2点に気をつけるとともに、出かける前日には忘れずにバッテリ残量を確認しておこう。

DIYやデスクワークなど自宅でも日常使いができる

 家庭においてもポータブル電源は便利な製品だ。その用途は平常時と緊急時に大別できる。平常時の使い方としては庭やベランダ、バルコニー、駐車場などのAC電源がない場所で電動工具を使ったDIYが代表的な例といえるだろう。

 在宅ワークでもポータブル電源は役立つ。一般的なデスクワークではPCとサブのディスプレイ、プリンタ、スマホ、デスクライト、無線LANルーターなどの電力供給が必要となる。製品にもよるが、ポータブル電源を利用すればある程度これらの電力をまとめて供給することも可能だ。また、日常の脚として利用している電動アシスト自転車への充電という使い方もある。
 
AC電源やUSBポートを備えた
ポータブル電源なら在宅ワークでも便利に使える

 もちろん通常使用している家電製品への電力供給にも使えることは言うまでもない。電子レンジやオーブントースターなど消費電力の大きい家電製品は不向きだが、液晶テレビや各種のオーディオ製品、デジタル家電などは容量が500Wクラスのポータブル電源で十分に電力を供給できる。

 AC電源がない場所で使用できるのはメリットだが、屋内では通常、壁面のAC電源に機器のコンセントを差して電気を取っている。あえて壁面の電源を使わずにポータブル電源を利用するのは意味がないように見えるかもしれない。

 しかし、電力会社によっては夜間または深夜の電力が安くなるプランがある。これを利用して電気代の安い夜間または深夜にポータブル電源へ充電し、電気代の高い日中は、夜に溜めた電気で家電製品を使うパターンであれば、電気代の節約につながる。

 また、アウトドアでの使い方と同様にソーラーパネルを使って日中に充電し、夜は家電製品に電力を供給するという使い方もある。ソーラーパネル自体、決して安価ではなく、日が陰ると発電効率が低下するので天気次第という部分もあるが、壁面のAC電源から充電するのとは異なり、充電コストはかからないのは大きなメリットといえるだろう。
 
日当たりが良好であれば
マンションのベランダでもソーラーパネルで充電できる

万が一の場合にポータブル電源で電力を確保

 家庭におけるポータブル電源のもう一つの用途としては、停電などの緊急時に電力を確保できることだ。

 近年、地震や大雨、豪雪など自然災害の発生は全国的に増えている。直接、家屋や人命に影響を与える一次災害もさることながら、これら自然災害によって停電が発生して生活に支障をきたす、いわば二次災害も生活に大きな影響を及ぼす。
 
温暖化の影響で停電の
原因の一つである落雷は増えている

 ポータブル電源があれば災害情報を収集するためのテレビやスマホのほか、調理家電や冷暖房、照明などへ給電することで、停電時でも生活に必要な電力の確保が可能だ。

 災害対策としてポータブル電源を使用する際は、アウトドアや日常使いと異なり、停電後の電力復活までの時間が読めず使用想定時間を自ら決められない。また、ポータブル電源の容量や出力ポート数によって電力を供給できる機器も限られてくる。

 そのため災害対策用としてポータブル電源を購入する際は、持ち運びよりも容量や出力ポートの種類、数を重視して選ぶことが重要だ。さらに前述のソーラーパネルを使えば、停電時でも太陽光でポータブル電源本体に充電ができる。災害時の電源確保という点では、ポータブル電源とソーラーパネルをセットで揃えておくといざというときも安心だ。
 
ソーラーパネルとセットで
備えておくと万が一のときも安心だ

 ただし、ポータブル電源本体にメーカー・ブランドが異なるソーラーパネルで充電する場合は、互換性の問題から変換ケーブルが必要となるケースが多いため、本体とソーラーパネルは同一ブランドで組み合わせるのが基本だ。

保管の際は場所やバッテリ残量などに要注意

 万が一の際、確実に電力を供給するにはポータブル電源の保管状態にも注意が必要。高温多湿や逆に低温となる場所での保管を避け、ほこりが多い場所や水がかかる場所での保管もNGだ。

 長期保管の場合、一般的に残量が60~80%の状態にして保管しておくことが推奨されているが、残量の目安については製品によって異なる。常時AC電源コンセントに差したままで保管しておける製品もあれば、壁面のAC電源と機器を接続した状態で保管しておくことができる製品もある。このあたりは製品の仕様によって異なるので、各社のホームページや取扱説明書を閲覧して確認しておこう。
 
多種多様なポータブル電源を選ぶときは
事前にメーカーのホームページをチェックしよう

 リン酸鉄リチウムイオン電池は自然放電が少ないが、その他のリチウムイオン電池は保管時に自然と放電してバッテリ残量が減る。日常的に使用せず、災害対策として緊急時に使用する場合でも季節ごとに残量を確認しておくことも忘れずに実行したい。

 ポータブル電源はバッテリの容量が決まっている。ポータブルといえども大容量タイプになると本体サイズが大きくなり、重量も重くなる。アウトドアに持ち運んで使用するのは不向きになるため、災害対策での電力確保とアウトドアでの使用は分けて考えた方がよいだろう。

 さまざまな家電製品に電力を供給できるポータブル電源。賢く使って、いろんなシーンで活用しよう。
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