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購入先はいつもau 新「かえトクプログラム」は「縛り」と「お得」が両立

 懸念した状況に陥りつつあるかもしれない。家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」によると、2019年におけるスマートフォン(スマホ)の年間販売台数は過去3年間で最多を更新したが、20年1月は前年同月比88.5%にとどまり、メーカー別でみると、Apple、ファーウェイ、ソニーモバイルコミュニケーションズなどの落ち込みが大きい。

Appleの前年割れは法改正が要因か

新車でおなじみ残価設定型の購入プログラムをauが初導入

 キャリア版から安価なSIMフリー版の取扱店舗がApple直営店以外にも広がる中、KDDIと沖縄セルラーは、24回分割払いの最終支払金額を「2年後の買い取り価格」に設定し、毎月の支払額を大幅に抑える新しい購入プログラム「かえトクプログラム」の提供を2月21日に開始すると発表した。
 
国内通信事業者初の購入プログラム

 対象はiPhone 11をはじめ、ほぼ全てのauスマホ。プログラムの利用は無料。機種ごとに「2年後の買い取り価格」を柔軟に設定し、ハイエンドモデル限定であるドコモ「スマホおかえしプログラム」の欠点を解消した。なお、2月20日をもって「アップグレードプログラムNX」は終了する。

 かえトクプログラムの仕組みは、通称「残クレ」と呼ばれる自動車の残価設定ローンとほぼ同じで、ディーラーなどで、「残価設定型プラン」の説明を受けた人には分かりやすく、そうではない人にはやや理解しづらい。デメリットは、2年間後、回収・査定条件を満たしていないと、最大2万2000円(不課税)の支払いが必要になること。買い替えるかどうかはその時に判断すればよく、実質的に前半と後半で毎月の支払額が変わる48回の分割払いだ。
 
「かえトクプログラム」の特典を利用した場合の支払いイメージ(auのウェブサイトより)

分割払い希望で2年以内に必ず買い替えるなら検討の価値あり

 手帳型ケースや耐衝撃フィルムなどを装着し、画面割れや背面・側面の傷、本体の歪みなどが生じないよう、スマホを丁寧に扱えるのなら、下取り前提の購入プログラムはメリットがある。auのかえトクプログラムの場合、2年(24カ月)おきにauの新しい端末に負担なく買い替えられるので、このプログラムの提供が続く限り、お得が続く。

 残代金は、最初に設定された「2年後の買い取り価格」であり、2年間で急激なインフレでも起きない限り、不利益は生じないだろう。フリマアプリに出品しても買い手がつかないような不人気機種でも、必ず下取りしてくれるので安心だ。
 
ホンダ、スズキの残価設定型クレジット(残クレ)の説明

 このプログラムは、これまで主流だった分割払いが条件。そして、分割払いと、現金・クレジットカード、スマホ決済サービスなどによる一括払いを比較すると、端末の取扱いの自由さ、契約手続きの早さという点で一括払いが勝る。スマホの買い方は、クルマ同様、一括派と、分割・残クレ派に分かれることになりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。