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【実売分析】年末年始に売れたインテルCPU、春にはAMDも盛り返す

データ

2018/05/21 19:30

 家電量販店・PCショップ・オンラインショップの実売データを集計した「BCNランキング」に基づき、チャートやビジュアルでわかりやすく最新の販売動向を示す「monoChart(モノチャート)」から気になるアイテムをピックアップ。今回は、PCパーツの中でも性能の要となるCPUを取り上げる。

6コアCPUの投入で盛り上がった年末年始

 昨年3月、AMDが新製品「Ryzen」を発売して以来、CPU市場では久々にインテル対AMDの競争が活発になっている。インテルは長らく、メインストリーム向け製品のコア数を最大4コアとしてきたが、これに対し、AMDは同価格帯のRyzenで6コア、8コアの製品を投入してきたのだ。

 1コアあたりの性能では、現在もインテルが有利なケースが多いが、従来の4コア製品では、動画エンコードなどでAMDに性能が見劣りする場面もある。そこでインテルは、最新の「第8世代」Coreプロセッサで6コアの製品を発売した。

 これまで4コアを超える製品は、Core i7の中でも上級者向けの「Xシリーズ」に限られていたが、第8世代ではCore i7に加え、実売2万円台前半で買えるCore i5でも6コアのモデルを用意した。11月の発売直後は供給不足で品薄が続いていたが、それでも年末年始商戦でのCPU販売を大きく押し上げるのに貢献した。
 

 一方AMDも、今年2月半ばになってRyzenの新モデルを発売した。昨年発売したモデルはグラフィックス機能を搭載していない製品だったため、PCを組み上げるには別途グラフィックスボードを用意する必要があった。新製品はインテルの競合モデルと同様、CPU内にグラフィックス機能を統合しており、手ごろな価格でPCを組み立てられる。
 

 昨年11月から今年2月にかけてCPU市場におけるAMDのシェアは10%台に落ちていたが、3月から再び20%以上に回復しており、グラフィックス機能内蔵版のRyzenがシェア拡大を後押しした可能性が高い。AMDは2016年までシェア1ケタの時代が長く続いていたが、昨年のRyzen発売以降は一定の存在感を示し続けている。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。