来年で15周年、ルンバの歩みを振り返る

特集

2016/12/13 10:43

 初代「ルンバ」が登場したのは2002年。同時期、日本市場では東芝がエレクトロラックス製の「ECL-TR1(通称トリロバイト)」を発売していたが、ロボット掃除機に対する見方は、ソニーの犬型ペットロボット「AIBO」(1999年発売)に近かった。つまり、話題先行の色物という認識だ。


2002年に登場した初代ルンバ

 短期的にみれば正解で「ECL-TR1」はその後、数年で生産終了。製造元のエレクトロラックスも事業から一時撤退した。一方のルンバは、02年当時はまだ日本での正式な販路はなく、04年から本格参入。決して順風満帆だったわけではないが、地道に露出を増やし、ロボット掃除機という新たな市場を開拓しながら、販売台数を積み上げてきた。

初代ルンバと現在の最上位機種の性能差は?

 初代ルンバと現在の最上位機種である「ルンバ980」を比較すると、性能に雲泥の差がある。「980」は稼働時間が約120分・稼働面積は約112畳なのに対して、「初代」は稼働時間が約45分・稼働面積が約13畳。稼働時間は3分の1、稼働面積に至っては10分の1しかなかった。1回の充電時間は約12時間。設定も複雑で、掃除する部屋の面積に合わせてモードを選択する必要があった。
 

現行ラインアップの最上位機種「ルンバ980」

 半日で1部屋を掃除すると考えると、「初代」は、あまり実用的とはいえない。動作音も大きく、そばで会話できないほどだったという。

 しかし、実勢価格は4万円前後と意外と手頃で、28万円前後もしたエレクトロラックス製のロボット掃除機「ECL-TR1」に比べると、圧倒的に安かった。発売当初から「実験的に」ではなく「本気で普及」を狙っていたとわかる。

ブームの火付け役になった「500」シリーズ

 ルンバがロボット掃除機の代名詞になるきっかけとなったのが、07年に発売した「500」シリーズだ。本国で火が付き、日本でも口コミでじわじわと人気が拡大した。現在まで続く、天面の中心にクリーンボタンを配したインターフェースや、ゴミをかき集めるエッジクリーニングブラシを採用したのも「500」シリーズから。ユーザビリティと集じん性能が飛躍的に進化したことで、実用性が高まった。
 

大ヒットした2007年発売の「500」シリーズ

 ルンバは、今年10月末に国内累計販売台数200万台を突破。100万台突破までは初代ルンバの登場から11年の月日を要したが、その後、わずか3年で100万台を上乗せした。

 ルンバの実績と比例して、市場は急成長を遂げ、参入メーカーも出揃ってきた。「ゴミをいかに吸引するか」が本質ではあるが、人工知能によるマッピングやスケジュール機能、スマートフォンとの連携など、競争軸は多様化している。ただ、驚きとともに成熟してきた市場も、ここにきて消費者が“慣れ”を感じ始めている。さらなるイノベーションはあるのか、15年という節目を迎えるルンバの進化に期待がかる。(BCN・大蔵 大輔)