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ケーズデンキ府中本店、新型iPhoneでワイヤレスイヤホンが好調

店舗

2016/11/16 10:29

 東京・府中市のケーズデンキ府中本店では、新型iPhoneにイヤホン端子がなくなったことで、ワイヤレスのヘッドホンやイヤホンを求める顧客が増加。需要を見越して、少し前からヘッドホン売り場を3か所で展開している。

ヘッドホン売り場にメリハリ

 「iPhone 7が発売になってから、親子連れでワイヤレスのヘッドホンやイヤホンを購入されるお客様が増えています」。こう話すのは、ケーズデンキ府中本店でデジタルAV全般を担当する今泉大志主任。同店では、「iPhone 7」が発売される少し前から3階の定例コーナーのほか、同フロアのiPadコーナー、2階のスマートフォン(スマホ)コーナーの3か所で、イヤホン・ヘッドホン売り場を展開。セット購入につなげる工夫をしている。
 

ケーズデンキ府中本店でデジタルAV全般を担当する今泉大志主任

 定例コーナーでは3万円~4万円の高価格帯のものから1万円以下の安いタイプまで幅広く展開。iPadコーナーの近くでは、ソニーやオーディオテクニカ、エレコムなどのワイヤレスタイプを中心に展開している。一方のスマホコーナーでは、通話機能を訴求するなど、コーナーごとにメリハリをつけている。

 来店客の年齢層は10代~20代、40代前後、年配層と幅広い。車での来店が多いこともあって「通話機能を搭載するワイヤレスタイプを購入する方が目立ちます」と今泉主任は語る。
 

iPadやMacコーナーの向かいに展開するワイヤレスヘッドホン売り場
 

スマホコーナーではスマホ用ケースの向かいにイヤホンマイクなど通話機能を訴求

 購入パターンも多様化している。初めてBluetooth対応機を購入する顧客は、入門機としてエレコムのヘッドセットを選び、10代や20代の若い顧客は憧れのDJやミュージシャンが使っているものと同じ高価格帯のヘッドホンを指名買いするケースもあるという。

 音へのこだわりを持つ年配のオーディオファンが、高音質が楽しめるハイレゾタイプを購入する一方で、とりあえず聞ければいいという年配客など、実にさまざまだ。

ヘッドホンの販売手法とは

 店舗ならではの接客の工夫についてきくと、今泉主任は、「音質、機能、予算の3つから、お客様に最適な機器を提案しています」と話した。

 まずは顧客の音質の好みを知るために、普段、どんな音楽を楽しむのかを聞く。クラシック好きには高音域が伸びるタイプ、若い人にはデザイン性や迫力のある低音タイプを薦める。

 音質にそれほどこだわりのない顧客にも、視聴してもらい、付加価値の高いモデルを薦めてみる。そのときは購入に結びつかなくても、いい音を体験することで、将来のファンづくりにつながる。
 

初めての来店客でも、タイプごとの違いがわかる親切な売り場

 次に機能について聞く。日常でよく使う場面を聞きながら、ノイズキャンセリング機能や通話機能など、利用シーンに適した機能を備えたモデルを提案する。

 最後は予算感を聞いてクロージングだ。3000円程度の予算を1万円以上に引き上げるのは難しくても、ワイヤレスの利便性やバッテリの持ちの良さなどを説明すれば、8000円~9000円の機種の購入に結びつくこともあるという。

 また、新型iPhoneの防水性能の向上を受けて、「ジョギングやプールなどで使える防水対応のワイヤレスイヤホンを購入する女性客も増えている」と語る今泉主任。本部施策で決まっているわけではないが、ウェアラブルやスポーツをテーマにした売り場でのヘッドホン・イヤホンの展開も面白そうだ。(BCN・細田 立圭志)