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<Special Interview>2016年下半期はどうなる? カスペルスキーの販売戦略

インタビュー

2016/08/26 17:30

 犯罪手口やテクノロジーの変化に合わせて、たゆまぬ進化を要求されるセキュリティ対策。セキュリティメーカーとして、世界屈指の実績をもつカスペルスキーの日本法人社長・川合林太郎氏に、2016年下半期の見通しと施策を語ってもらった。

取材・文/大蔵大輔
写真/川嶋久人

・前半<IoT時代の最新セキュリティ事情>から読む

――2016年上半期のセキュリティ市場は販売数量・金額はともに成長基調でしたが、下半期もこの傾向は続くでしょうか?

川合:カスペルスキーに限っていえば、リアル店舗以上にeコマースやアライアンス販売が出荷台数を伸ばしています。かつてはPCとのセット販売がメーンでしたが、現在はインターネット回線の比率が大きいです。

 市場全体だと、PCの販売台数は落ちていますが、モバイル端末の普及でセキュリティソフトの対象デバイス総数は増加しているので、全体のパイも広がっています。下半期もこの流れは継続するはずです。
 

16年下半期の見通しを語る川合林太郎社長

――リアル店舗で販売を伸ばす施策はありますか?

川合:家電量販店でのビジネスに限定すれば、一昨年からPOSA(Point of Sales Activation)システムを導入しました。レジを通して初めて決済されるので、流通サイドは在庫を持たなくて済みます。負担の軽減により、店舗の皆様からも好評を得ています。

――ユーザーから要望が多いことは何ですか?

川合:デジタルデバイスの購入時に、セキュリティソフトの使用を目的にする人はいません。したがって、本来目的とする作業を邪魔しないための“軽さ”は強く求められていると思います。

 とはいえ、「ソフトをインストールしているデバイスのセキュリティを万全に保つ」ことに勝る役割はありません。ユーザーが声に出して求めていなくても、認知していない脅威を周知し、対策することが本質的に重要だと考えています。

 カスペルスキーの本社があるロシアは、新しい脅威の出現率が残念ながら世界でも上位に位置します。したがって、脅威に対する感度も必然的に高いですし、動向を観察し、傾向を見極めるアナリストの技能もハイレベルです。

   「ユーザーが何を求めるか」だけでなく「脅威に対して何が必要か」の両輪で、機能を付与していくのがカスペルスキーの基本スタンスです。