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「ポケモンGO」で集客、ビックカメラに特設コーナーオープン

店舗

2016/07/28 15:09

 世界規模で社会現象を巻き起こしている「ポケモンGO」の特筆すべき点は、単なるゲームにとどまらず、各業界に大きな経済効果をもたらしていることだ。家電量販店も、この波に乗るためにさまざまな施策を展開する。


「ポケモンGO」特設コーナーを担当する柳井俊一氏
 

デジタル製品から日用品まで、幅広いお役立ちアイテムを陳列

 ビックカメラグループ(ビックカメラ・ソフマップ・コジマ)各店では、サービス開始の7月22日から特設コーナーを設置。「ポケモンGO」ユーザーが欲しくなるであろうアイテムをまとめて陳列する。ビックカメラ新宿西口店ゲームコーナー担当の柳井俊一氏は「予想以上の伸びに驚いている」と、コーナー開設の効果を語る。
 

ビックカメラ新宿西口店の「ポケモンGO」特設コーナー

 国内サービス開始前からヒットを予想し、準備を進めてきたという特設コーナー。位置情報を利用するためバッテリを急速に消費する「ポケモンGO」を快適にプレイするために欠かせないスマートフォン用モバイルバッテリはもちろん、炎天下の散策時に役立つ日焼け止めクリーム、歩数を記録する活動量計、アプリ内課金のためのiTunesカード/Google Play ギフトカードなど、幅広いジャンルのアイテムを取り揃える。ユニークなのは防犯グッズ。「深夜にポケモン探索をするユーザーも多く、防犯グッズも隠れた需要がある」(柳井氏)。

 特設コーナーを訪れるユーザー層は幅広く、普段はゲームコーナーに少ない中高年の姿も。子どもや孫といっしょにプレイするために、インストール方法やゲームの説明を求められることも多いという。
 

他のコーナーにも効果は波及、「ポケモンGOシフト」を導入

 通常のモバイルバッテリ売り場にも、連日、人だかりができている。ビックカメラでは、購入してすぐに使える充電済みバッテリも販売している。「いますぐ充電できることが重要なので、一度パッケージから取り出し、フル充電している。モバイルバッテリ全体の販売数量は6~7倍伸びている」(柳井氏)。
 

充電済みのモバイルバッテリを販売(左)、バッテリ容量の基準を示す一覧表も用意(右)

 どれくらいのバッテリ容量があれば、満充電の状態から、何回スマホを充電できるかを案内するPOPを用意。大容量モデルの引き合いが増え、単価アップにつながっている。

 SIMフリースマホコーナーでも、「ポケモンGO」を大きくアピールする。「ポケモンGO」は、従来型携帯電話(フィーチャーフォン)や一部のスマホには対応していない。そのため、スマホの新規購入・買い替え需要も後押しする。対応スペックを表記するほか、条件を満たすスマホには「ポケモンGO対応機種」のラベルを貼るなど、まさに「ポケモンGOシフト」といえる体制を整える。波及効果は、明確にあらわれており、スマホの販売台数は3倍近くまで上昇しているそうだ。
 

ゲームに対応するスペックを紹介(左)、「ポケモンGO対応機種」のラベルも(右)

 「ブームがいつまで続くかは不明だが、子どもの夏休み期間は持続するとみている。11月にはポケモンの新作ソフトが出るので、もしかすると、もっと息は長いかもしれない。お客様の声を売り場に反映しつつ、柔軟に対応したい」と柳井氏。暑さが増すこれからのシーズン、涼しくて役立つグッズが手に入る家電量販店は、「ポケモンGO」ユーザーの探索の休息地になりうる。提案次第で集客効果は大いに期待できそうだ。(BCN・大蔵 大輔)