SIEから受け継いだバッファローの「nasne」、使って分かった驚きの便利さ

レビュー

2021/05/23 17:30

【なぐもんGO・78】 我が家では、これまで「録画する」という文化がなかった。というよりもテレビ番組を見る機会自体が少なくなり、テレビはもっぱらYou Tubeやビデオオンデマンドサービスを利用するためのディスプレイでしかなかった。そんな習慣に大きな転機が訪れたのは、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)から引き継いでバッファローが発売した「nasne」がやってきたからだった。

バッファローが3月末に発売した「nasne」

設置がカンタン

 最新のバッファローの「nasne」は3月末の発売以来、5月末現在に至るまで品薄状態が続くほど人気を博している。それほどの需要があるのなら「さぞ素晴らしい製品なんだろうな」と思って実際に使ってみたら、想像以上に便利だった。

 nasneを使い始めたきっかけは「アニメをできるだけリアルタイムで視聴したいから」だった。ビデオオンデマンドサービスでもテレビアニメは視聴できるが、4月から完全新作として放映されているテレビアニメ『SHAMAN KING』を視聴しようとしたところ、「Hulu」やAmazonの「Prime Video」では一週遅れての配信。SNSなどで“リアルタイム組”が話し込んでいるのを、指をくわえて見ているしかなかった。そこで、nasneを導入してみたのだ。

 設置はいたってシンプルだ。まずテレビに挿していたアンテナケーブルをnasneのアンテナINに挿し、同封されていたもう1本のアンテナケーブルでnasneのアンテナOUTとテレビを接続。アンテナとテレビとの間にnasneをかますイメージである。そしてB-CASカードをnasneに挿入し、さらにLANケーブルでルーターと接続してから電源を入れたら設置は完了だ。
 
初期設定も誘導されるまま

 あとは、同じネットワーク内にあるPS4で「torne(トルネ)」というアプリケーションをダウンロードして起動。初期設定に移ったら、nasneとの連携や、名前を決めるなどすれば使えるようになる。スマートフォン(スマホ)で使う場合も「torne mobile」アプリをインストールすれば、同じネットワーク内のnasneと連携できる。

 録画するための操作も直感的だ。アプリ上の番組表や検索画面から好きな番組を探してタップ、「予約する」を選べば録画予約完了。『SHAMAN KING』の場合はシリーズなので、番組を選んだときに繰り返し録画から「毎週」を選択すると、その後も自動で録画してくれるようになる。録画モードはデフォルトで3倍モード(標準)だが、DRモード(高画質)を選ぶこともできる。ただ、録画した番組をスマホで視聴するには有料の追加機能を購入する必要があるので留意しておきたい。
 
torneのホーム画面。サクサク操作できて直感的に使うことができる

出先から予約して家族に喜ばれた

 なにより驚いたのは、起動の速さと操作性の高さだ。ひと昔前のレコーダーを使っていた頃のイメージでは、起動するまでしばらく待たされたり、一つボタンを押したら画面が動くまでに数瞬、場合によっては数秒のタイムラグがあった。ほんのわずかな時間ではあるが、積み重なるとストレスだ。しかし、torneの場合は起動も操作もスムーズでストレスを感じなかった。

 そして使っていて最も便利に感じたのは、外出先からの予約だ。それを強く実感した体験を紹介したい。

 時は金曜ロードショーで映画『タイタニック』が放送される当日。自分ではあまり気にしていなかったが、家族が放送開始10分前に大慌てで連絡してきた。どうやら、主演レオナルド・ディカプリオ氏の吹き替えを石田彰さんが務めるらしい。これは滅多にお目にかかれないレアなことなので、どうにか残せないかと頼まれた。

 ちょうど電車に乗っていたので「家には間に合わない」とあきらめかけたが、ふとスマホを見るとインストールしたての「torne mobile」が目に入った。早速、アプリを起動して番組表から『タイタニック』を選び、予約をタップ。それだけで家族から大変感謝された。
 
録画した番組は同シリーズならツリー状で表示される

 ほかにも、録画時にHDDの残り容量が表示されることや、録画した番組がシリーズなら自動でツリー状に表示されるなど、うれしいポイントは多々ある。多くの予算をかけて制作されたテレビ番組の完成度の高さと面白さを再確認することもあった。

 こうした幸せが積み重なり、我が家では頻繁にテレビ番組の予約をするようになった。今後は、動画配信サービスとテレビ番組を行ったり来たりと、忙しくなりそうだ。(BCN・南雲 亮平)