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紙巻きたばこ愛好家必携! 紙巻きが吸える加熱式たばこデバイス「VP Style」をレビュー

レビュー

2019/05/09 19:00

 ゴールデンウィーク中に行きつけの居酒屋で不穏な張り紙を目にした――「加熱式タバコオンリー」。すかさず店長に確認したところ、タバコ臭に対するクレームが多く、今月から紙巻きタバコは禁止したとのこと。店長が喫煙者ということもあり申し訳なさそうな顔をされたが「紙巻きNG」はここに限った話ではない。会社の近所の喫煙所もラーメン屋も、今年に入って「喫煙可」から「加熱式タバコオンリー」に。紙巻きたばこユーザーの居場所は徐々に狭まりつつある。

「加熱式タバコオンリー」の飲食店や喫煙所が急増……
紙巻きたばこユーザーの居場所は徐々に狭まりつつある

 吸わない人からすれば、喫煙をやめるか、加熱式にすればいいと思われるかもしれないが、そうもいかない。加熱式全盛の現在に至るまで、紙巻きを吸っている喫煙者は「意地でも紙巻きを吸い続けてやる」という頑固者ばかりだからだ。時代の流れ、と憂うのは簡単だが少しでも抵抗したい……そんなどうしようもない願いを叶えるアイテムが4月27日に発売された。SMV JAPANの加熱式たばこデバイス「VP Style(ヴイピースタイル)」だ。
 
紙巻きたばこを吸える加熱式たばこデバイス「VP Style」

 この加熱式たばこデバイス、なんと紙巻きたばこが吸える。IQOSやプルーム・テックなどは専用たばこ用に設計されているが、VP Styleはレギュラーサイズのたばこ用に設計されており、本体にそのまま普段吸っているたばこを差し込んで、加熱式として使用できるのだ。さっそく実機でその使い心地を試してみた。

使い勝手は「glo」に近い 気になる吸い心地は?

 デザインは代表的な加熱式たばこデバイスである「glo」に近い。自立する縦長のアルミ製のボディ、上部からたばこを挿入する構造など類似点は多い。しかし、紙巻きたばこを使用する都合上、いくつか特異な部分がある。一つは専用リキッドを本体に充填する必要があるということだ。リキッドの入ったカートリッジは下部から入れる。フタにネジ穴があるので、そこにカートリッジを装着し、本体に差し込む。二つめはタバコを本体に入れたあとに専用の吸口でフタをすることだ。たばこのフィルター部分に被せて押しこみ、吸口を回して固定すれば準備完了だ。
 
専用カートリッジはフタの裏に固定。
ただ入れただけでは使用できないので注意
 
差し込んだたばこのフィルターには吸口を被せる

 VP Styleのインターフェースはボタンが一つあるのみ。一度押せば電池残量とリキッドの残量確認、三度押せば加熱を開始する。加熱にかかる時間は約40秒。IQOS最新モデルは20秒なのでそれと比べるとやや長いが、プルーム・テックとgloの最新モデルとは同等だ。
 
一度押せば電池残量とリキッドの残量確認、三度押せば加熱を開始する

 加熱が完了したら、あとは吸うだけ。肝心の吸い心地は完全に加熱式たばこだ。紙巻きたばこを使用しているので、多少は紙巻き独特のずっしりした吸い心地があるのかと思ったが、それはなかった。火を使っていないので当然といえば当然なのだが、勘違いして購入するとちょっと期待外れになるかもしれない。
 
吸い心地は完全に電子たばこ。煙は少なく、臭いも控えめだ
 
吸い終わったあとのたばこ。吸い殻が出ないのでそのままごみ箱に捨てられる

 1本あたりの吸引可能回数は約15回。本体がバイブするなどの機能はないが、ランプが消えたら終了の合図だ。2本までなら連続吸いに対応するのはうれしい。2本目以降は数分の冷却時間が必要だ。1回の充電で吸えるのは15本程度。カートリッジは1本で約60本まで使用可能で、リキッドが切れたら別売の交換用カートリッジに取り換える必要がある。

緊急時のお助けアイテムとして有効 気になるのはコスト

 2週間程度使用して感じたのは、紙巻きと加熱式併用の楽さだ。紙巻きとIQOSを併用している人は多いが、それぞれに吸えるたばこが異なり面倒という声はよく聞く。VP Styleなら同じタバコを使えるので、この煩わしさがない。手入れもクリーニングブラシを挿入口に入れて上下するだけなので手間は少ない。吸い心地も悪くない。ほかの代表的な加熱式たばこと比べても、大差なく感じた。
 
手入れはクリーニングブラシを挿入口に入れて上下するだけ

 ただ、いくつか気になる点があった。まず、紙巻きたばこはレギュラーサイズにしか対応していないということ。ロング/スリム/ショートサイズには対応していないので注意が必要だ。次にカートリッジの交換が必要で、コストがかかるということ。カートリッジの税別価格は598円。だいたい3箱吸ったら交換するサイクルなので、1箱あたり200円余分にお金がかかる計算になる。緊急時のお助けアイテムとして使用するならそこまで痛手ではないが、メイン機として日常的に使うには向いていない。

 とはいえ、紙巻きを吸おうと思ったら禁止されている、もしくは嫌がられるという状況はこれからますます増えてくる。吸いたいけど紙巻きはダメ……そんなときにカバンの中にVP Styleがあったなら。愛煙家として意地を張るにしてもマナーとエチケットだけは死守したい。VP Styleはそんな矜持を守るためのお守りのようなアイテムになるかもしれない。(BCN・大蔵 大輔)