<2017年の家電業界>BCN RETAIL編集長・編集部員4名の注目のアイテム

特集

2017/05/01 15:00

 【紙面連動企画】 地デジ特需、スマートフォンの爆破的な普及後、PCをはじめ、さまざまなデジタル家電の市場縮小が続く。高付加価値商品が新たな需要を生み出し、白物家電の販売は比較的好調とはいえ、人口減少や高齢化による市場の先細りは否めない。メーカーの再編も進み、家電の製造・流通・販売を取り巻く環境は激変しつつある。それでも、ヒット商品は日々生まれている。今回は、当サイト「BCN RTTAIL」編集部員が今、注目する最新トレンドを紹介しよう。


中央:細田立圭志編集長、向かって左から:南雲亮平、大蔵大輔、日高彰、嵯峨野芙美
 

■2017年 BCN RETAIL編集部員の注目トレンド

ロボット掃除機 / 細田 立圭志編集長

 クリーナー市場に占める構成比の伸び悩みが指摘されるロボット掃除機ですが、もう一押ししたいアイテムです。売り場では、駆動時間や掃除する際の動き方の分かるデモが見受けられますが、共働き世帯が増えるなか、家事負担の軽減や留守中に掃除してくれる便利さをもっと押したいところです。という共働きの我が家でも、ロボット掃除機のボタンを押して家を出るのが私の日課で、「助かるなぁ」と実感する毎日です。セールストークにお使いください。
 

日立 ミニマル RV-DX1

<Profile>
 2001年から家電専門誌の記者、編集長を経て16年にわたり栄枯盛衰の家電流通をウォッチ。家電量販店から街の電器店まで全国を取材してきました。今でもワクワクする売り場取材の楽しさを、後輩に伝える日々です。


◇音声アシスタントイヤホン / 大蔵 大輔

 数年前には主流になると思われていたリストバンド型のウェアラブル端末ですが、ここのところ、市場の関心が薄れています。代わりに台頭しているのが、イヤホンタイプのウェアラブル端末。スマホの親和性が高く、価格が手ごろなので、普及するのではと期待しています。日本人は音声操作に抵抗感をもっている人も多いですが、各国で急拡大しているAmazonの音声アシスタント「Alexa」が日本語に対応すれば、状況は一変するかもしれません。
 
<Profile>
 うっかり家電業界に迷いこみ早5年。もともとアナログ人間でしたが、今ではすっかりデジタルに毒されてしまいました。今年の目標はVR環境の導入ですが、妻との交渉は絶賛難航中。どなたか気の利いた説得術を教えてください。


◇FeliCa / 嵯峨野 芙美

 2000年代後半のケータイ全盛期、「おサイフケータイ」という決済機能はあっても、通信速度が遅く、実用性に欠けていました。しかし、今の通信環境なら、ストレスなく使えます。iPhoneに続き、海外メーカーのSIMフリースマホの一部も、今後、日本の「おサイフケータイ」機能を利用できるFeliCaを搭載すると見込まれています。コンセプトだけが先行していた、モバイル決済の本格普及がようやく始まりそうです。
 

Apple Watch

<Profile>
 将来はマスコミ関連の仕事に就きたいと思い、地元の大学の「マルチメディア文化課程(通称マルチ)」に進学。夢が叶い、BCNでずっと記事を書いてきました。マルチは改組でなくなりましたが、その理由は「マルチメディアが普及したから」。スマホの本格普及が世の中を変えた気がします。


◇温水洗浄便座 / 南雲 亮平

 誰もが毎日通うトイレ。必ず使うからこそ、清潔で快適に使いたいですし、水道代もなるべく抑えたいです。最新の便座は、使用時だけ水を温かくしたり、効率的に水洗いできるように泡で便器をコーティングしたりと、使いやすさだけでなく、省エネや、手入れの簡易化も実現しています。買い替え時の費用を含めても、長い目でみて節約になります。意識せずに繰り返し使うトイレにも、最新の省エネ・節約技術がやってきました。
 

パナソニック ビューティ・トワレ AWシリーズ

<Profile>
 家電業界の取材をはじめて、もうすぐ1年が経とうとしています。新卒ではなくなったので、恐れず質問できるよう、さらに勉強を重ねていきます。花粉症ですが、フキノトウを食べて快適な春を過ごしました。


◇自走式家電 / 日高 彰

 この春、家庭の複数の部屋を巡回しながら空気をきれいにするロボット空気清浄機が発売されましたが、ロボット掃除機に始まり、ネットワークカメラプロジェクターなど、ここ数年で自走能力を持ったさまざまな家電製品が提案されています。AIIoTの要素を取り込んだ「自分で考える」家電は珍しくなくなりつつありますが、ユーザーの利便性に寄り添う究極の形は「自分で動ける」家電かもしれません。
 
<Profile>
 IT業界取材歴15年。「Nintendo Switch」でスーパーファミコン以来離れていたテレビゲームの世界に戻り、四半世紀ぶりにゼルダの伝説を楽しんでいます。PC自作派としてはAMDの新CPURyzen」も気になるところ。

 
※『BCN RETAIL REVIEW』2017年5月号から転載