「BCN AWARD 2021/BCN ITジュニア賞」の表彰式を開催、逆境をバネに飛躍促す

イベント

2021/01/22 19:08

 BCNは1月22日、IT・デジタル家電の年間販売数量No.1メーカーを表彰する「BCN AWARD 2021」と、優れた技術をもつ若者を表彰する「BCN ITジュニア賞 2021」をオンラインで開催した。スタジオの東京・品川インターシティから、BCN AWARD受賞企業やデータ提供会社の代表者、BCN ITジュニア賞を受賞した学生や指導教員などを称えた。

1月22日開催された「BCN AWARD 2021」

 開会に際し、BCN AWARD 2021の道越一郎実行委員長は「本来であればオフラインで開催する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でオンラインでの開催になった。製品の供給に影響が出たメーカーや、店舗の休業を余儀なくされた販売店、顔を合わせての開発が難しかったITジュニアの方々、皆さんは、さまざまな苦難を乗り越えてNo.1に輝いた。心からお祝いの拍手を送る」と挨拶した。

 BCN AWARDは、全国の家電量販店、パソコン販売店、ネットショップから収集した実売データ「BCNランキング」にもとづいて、部門(ジャンル)ごとに年間の累計販売数量が最も多かった企業を表彰する賞。対象期間は、20年(1月1日~12月31日)で、ハードウェア86部門39社、ソフトウェア24部門14社の計110部門・53社が受賞した。

 新設部門でもあるSSD外付け部門で受賞したバッファローの和田学常務取締役は、「当社の製品を購入していただいたお客様、扱っていただいた販売店様、そして関係者には感謝している。お客様の声に寄り添って開発することには苦労が伴うが、お客様の喜びにつながって何より」とコメントした。
 
バッファローの和田学常務取締役

 また、実売データを提供する販売店を代表してビックカメラの木村一義社長は「技術の進化が激しい、またニーズの変化が激しい中でNo.1に輝かれた方々は、使う人の発想で作ってきたからだと考えている。激動の時代の中、まだまだ多くの商品が必要とされ、新しい余地は多くあるはず。お客様の目線に立った商品が多く出ることで、使う方の生活向上に役立つサプライチェーンを広げていければと考えている。また、BCN ITジュニア賞を受賞した皆さんは、DXが加速する世の中でますます活躍されることと期待している」と受賞者を称えた。
 
ビックカメラの木村一義社長

BCN ITジュニア賞 2021、BCN ITジュニアU-16賞 2021の表彰式

 続いて開催されたBCN ITジュニア賞 2021、BCN ITジュニアU-16賞 2021の表彰式では、ITに取り組む若者を対象としたコンテストで優秀な成績をおさめるなど、優れた技術を磨いてきたITジュニアを表彰。受賞者には、会場で協賛企業27社からのメッセージビデオを送ったほか、協賛企業が厚意で用意した副賞を発送する。なお、今年は新型コロナ感染拡大防止のため、BCN ITジュニア賞 2021の対象5コンテストのうち三つが開催中止になっている。
 
BCN ITジュニア賞 2021、BCN ITジュニアU-16賞 2021
 
協賛企業27社の一覧

 全国高等専門学校プログラミングコンテストは、昨年に続き国立東京工業高等専門学校が全2部門を制覇。BCN ITジュニア賞を受賞した「 Kiseki Sketch(きせきすけっち)―あなただけの地上絵を―」制作チームと「ぷらんとこれくしょん ―体験型植物観察学習システム―」制作チームが、それぞれ作品を説明した。

 もう一つのコンテスト「U-22 プログラミング・コンテスト2020」では、前4部門における経済産業大臣賞受賞者にBCN ITジュニア賞を授与。「総合」では、東京医科大学の西村太雅さん、野田都里人さんが「AIを用いた自動車運転能力測定装置」で受賞。「プロダクト」では、滋賀県の守山市立速野小学校の越智晃瑛さんが「点体望遠鏡(てんたいぼうえんきょう)」で受賞。「テクノロジー」では、愛知工業大学情報電子専門学校の坂井田逸斗さんが大活躍の「”3密”チェッカー」で受賞。アイデアでは、静岡県の富士市立富士南中学校の鶴田慈貴さんが「deepMusa(でぃーぷむーさ)」で受賞した。

 受賞者を代表し、国立東京工業高等専門学校 情報工学科 3年生の門脇斎斗さんは、「新型コロナの影響で活動に制限が生じていたが、先生や先輩、家族、学校関係者の方々のおかげで、技術向上の機会を得ることができた。非常時に新しいことを進めるという力を社会で生かせるよう、研鑽を続け、将来、IT業界をけん引していけるような人材になりたい」と述べた。
 
国立東京工業高等専門学校 情報工学科 3年生の門脇斎斗さん

 BCN ITジュニア U-16賞では、日本各地で開催された「U-16 プログラミングコンテスト」の大会で優勝した子どもたちを表彰。札幌日本大学中学校3年生の菊地結翔さん、山梨市立後屋敷小学校6年の堀江晃太郎さん、長野市立古牧小学校5年の小田切一樹さん、長野市立更北中学校1年の小林たいちさん、玉城町立玉城中学校1年の吉高僚眞さん、松阪市立中部中学校1年生の長島希果さん、阿波市立市場小学校6年生の近藤彰さん、松山市立鴨川中学校1年生の北山蓮さん、みやき町立北茂安中学校1年生の杉山蒼葉さんが受賞した。
 
協賛企業各社が用意した副賞

 最後に登壇したBCNの奥田喜久男会長兼社長は、「初めてのオンライン開催で不思議な感覚」と前置きし、「2020年はオンラインでのコミュニケーションが急速な勢いで常態化してきた。受賞企業や販売店、協賛企業もプログラミング技術を身に着けた優秀な人材を待ち望んでいる。世界一の環境を大人が作るので、ITジュニアの皆さまには引き続き頑張ってもらいたい」と語った。
 
BCNの奥田喜久男会長兼社長

 「BCN AWARD 2022/BCN ITジュニア賞 2022」表彰式を1月に開催する予定。次回は会場で直接開催できることを楽しみに、閉会となった。