新iPad Airはテレワーク活用で真価を発揮! 全画面デザインなのにTouch ID指紋認証付き

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2020/10/27 18:30

 アップルが新しい第4世代のiPad Airを発売した。10.9インチの全画面デザインになったLiquid Retinaディスプレイを採用。最新のA14 Bionicチップを載せてビジネスツールとしての性能をグンと高めた実力機に進化した。

最新A14 Bionicチップと10.9インチのLiquid Retinaディスプレイを搭載する第4世代のiPad Air

全画面デザインに生まれ変わったiPad Air

 iPadシリーズの中で、iPad Airはフラグシップの「iPad Pro」と、3万円台で購入できるハイCPなスタンダードモデルの「iPad」の中間に位置付けられる。第1世代機のiPad Airは9.7インチのiPadの薄型・軽量モデルとして2013年に発売された。

 以降はスタンダードモデルのiPad、上位のiPad Proがともに薄型化・軽量化を達成してきたが、今回iPad Airが待望の大型モデルチェンジを果たしてその個性を際立たせた格好だ。Wi-Fiモデルが458g、Cellular+Wi-Fiモデルが460gという軽さをキープしつつ、上位のiPad Proに迫る高機能モデルに生まれ変わっている。

 まず、その外観が大きく変わったところに注目したい。10.9インチというサイズはビジネスバッグに入れて持ち歩きやすい。iPad Proのように側面をシャープに立たせたデザインになったので、指の掛かりがよく、バッグからスムーズに取り出せる。iPadとしては初めてとなるスカイブルーとグリーンを加えた5色のカラーバリエーションが揃う。
 
iPadシリーズとして初めてのカラーバリエーション「スカイブルー」
 
メインカメラは12MP広角カメラのシングルレンズ仕様

 本体前面の隅々まで広がるオールスクリーンデザインとしたことで、iPadOSの画面を分割して二つのアプリを同時に立ち上げられる「Split View」による作業がとても快適になった。

 第3世代のiPad Airはフロントパネルのフレームに配置したホームボタンに指紋認証センサーのTouch IDを内蔵していたが、新しいiPad Airは本体の側面に電源ボタンを兼ねた「トップボタン」を載せて、ここにTouch IDセンサーを埋め込んだ。画面のロック解除やApple Payによる決済認証が指紋を登録した指でTouch IDに触れることによって素速く行える。

 外出先でクライアントを相手にプレゼンテーションやビデオ会議を行う場面では、口元に着けたマスクを外さずにiPad Airの画面ロックが素速く解除できる。コロナ禍が続く中で顔認証センサーのFace IDのみを搭載する上位のiPad Proよりも、iPad Airの方が使い勝手が良いと感じるポイントだ。
 
画面を分割して同時に二つのアプリで作業ができるSplit View表示が見やすくなった。
第2世代のApple Pencilによる入力にも対応する
 
側面にTouch IDを内蔵するトップボタンがある

アップル純正のキーボードと第2世代のApple Pencilに対応

 テレワークや在宅学習のツールとして、ノートPCの代わりにiPad Airの活用を検討しているのであれば、ぜひ独自のSmart Connectorで接続してiPadから給電ができる“充電不要”の純正キーボードを一緒に揃えたい。春に発売されたMagic Keyboardを含めて11インチのiPad Pro向けの純正キーボードが新しい第4世代のiPad Airでも使える。
 
11インチのiPad Proと共通のMagic Keyboardが使える

 コンパクトで軽い第2世代のApple Pencilによる手書き入力にも対応する。第2世代のApple PencilはiPad Airの側面にマグネットで装着すれば充電とペアリングが自動でできる。

 iPad AirのLiquid Retinaディスプレイはサイズと輝度、そしてパネルを120Hzのハイフレームレートで描画するProMotionテクノロジーに対応していないことを除いて、ほぼ上位のiPad Proと同じ仕様をだ。Apple Pencilによるペンの書き味はiPad Proとほとんど変わらない。ただスタンダードモデルのiPadやiPad miniに比べると、新しいiPad Airの方が書き味は数段優れていると筆者は感じた。
 
iPadを前後から挟むように保護するMagic Keyboard。Apple Pencilを側面に装着して充電できる

 iPadでイラストや絵を描きたいクリエイターには、iPad Airの最も安価な内蔵ストレージ64GBのWi-Fi単体モデルが6万2800円で買えることを強調して伝えたい。iPad Pro 11インチの中で最もストレージ容量が小さい128GBのモデルよりも2万2000円も安く購入できるからだ。

ノートPCと変わらない使い方ができる

 新しいiPad Airはデジタル接続端子がLightningからUSB-Cに変わっている。外部USBストレージなどを接続すれば、ノートPCと同じようにファイルの読み書きもできる。iPadOS標準のアップル純正アプリ「ファイル」は、フォルダにまとめたファイルをZIP圧縮したり、反対にZIP圧縮ファイルの解凍もできる。
 
側面USB-C端子を搭載。スピーカーは2基のユニットによるステレオ仕様

 iPad AirにノートPCのような使い勝手を期待するのであれば、筆者は迷わずiPad専用Magic Keyboardを買うべきだと思う。キーボードによる文字入力がはかどるだけでなく、Magic KeyboardのUSB-C端子を経由してiPad Airを充電しながら、iPad本体のUSB-C端子にストレージを装着してファイルの読み書きが行える。Magic Keyboardにはトラックパッドも搭載されているため、iPad Airの画面に直接触れずに操作ができる。屋外でのテレワークの機会が多い人にとっては衛生面で安心できるし、感染症対策としても有効だと考えられる。
 
USBストレージを装着。ファイルの読み書きができる

 筆者は現在iPad Pro 12.9インチのCellular+Wi-Fiモデルを使っている。SIMカードを装着すれば外出先でWi-Fiスポットを探したり、スマートフォンからのテザリングを使わずにセキュアなインターネット接続ができる。iPad Airの機動力をビジネスシーンでもフルに発揮したい場合はセルラーモデルを選びたい。iPar Proに迫るほど高い性能を獲得したiPad Airは、テレワークの効率アップが実感できるデバイスになるはずだ。(フリーライター・山本敦)