スマホはアプリやゲームの利用が中心で、コスパの良さを追い求めたい。そう考えている方は多いはずだ。かくいう筆者もスマホは主にチャットなどでの連絡に使うことが多く、動画視聴は1日1時間、ゲームは30分プレイすれば長いくらい。そんな筆者がハイエンドモデルを買っても持て余すこと間違いなしだ。

 コストを抑えつつも、動作の快適さは確保し、OSも最新のものが使える……そんなバランスの良さが支持されてか、「Google Pixel 4a」が評判を呼んでいる。普段から前モデルのGoogle Pixel 3aを使っている筆者の目線で、BCNから提供されたPixel 4aを使ってカメラ性能やゲームプレイの快適さなどを中心にレビューしていこう。
 
ディスプレイはCorning Gorilla Glass 3で覆われている

お買い得でも機能は十分、パンチホールには慣れが必要

 Pixel 3aが4万9500円(税込)~、Pixel 4が8万9980円~(税込)だったのに対し、Pixel 4aは4万2900円(税込)~と手が出しやすい。Googleストアのほか、ソフトバンクでも販売している。全国の主要家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」によると、ソフトバンクが販売を開始したPixel 4aは、8月20日の発売から1週間で販売台数シェア6.5%となり一気に単独トップに躍り出た。データは、AndroidベースOSスマートフォンの機種別で、8月20日~26日に集計したもの。

 セキュリティはPixel 4がカメラなどによる顔認証、Pixel 4aは背面に搭載された指紋認証センサーと、搭載している生体認証の種類が異なる。ただ、Pixel 4の顔認証はソフトウェアのアップデートを重ねているものの、マスクを着用していると動作が安定しないなど、改善が求められている部分もある。現時点では、Pixel 4aにも搭載されている指紋認証の方が気軽に使えそうだ。
 
裏面は耐衝撃性に優れたポリカーボネート製。ざらついた軽めのプラスチック、という印象だ

 Pixel 3aやPixel 4に比べてディスプレイ上下のベゼルが狭くなったことで、両モデルよりも一回りコンパクトになった印象を受ける。また、バッテリー容量は3140mAhと、Pixel 3a(3000mAh)やPixel 4(2800mAh)よりもわずかながら増加しており、先程挙げた筆者の使い方であれば1日でバッテリーが切れる心配はない。
 
Pixel 3a(左)はディスプレイが5.6インチ、Pixel 4a(右)はコンパクトながら5.8インチだ

 ベゼルが薄くなり、本体に対するディスプレイ占有率が高まったことで、サブカメラの居場所はディスプレイ上に移った。これは、パンチホール型ディスプレイと呼ばれ、近年のスマホではメジャーになりつつある。

 ディスプレイ占有率の高さを維持できるパンチホール型ディスプレイだが、映像視聴の際はネックにもなり得る。Pixel 4aはディスプレイの比率が19.5:9で、映画のように画面の比率が2.39:1の映像を視聴する際はディスプレイいっぱいに映像が広がる(16:9の映像では上下に黒帯がつく)。そのため、映像の隅には常に穴が空くことになり、筆者は気になってしまうが、もうしばらく使えば慣れるだろう。
 
映像の隅に穴があくが、映像のズーム率を下げればそこまで気にならないだろう

 一方、ソフト面に目を向けると、4万円台という価格以上の価値が見えてくる。Pixel 4aは発売日である2020年8月20日から最低でも3年のOSやセキュリティアップデートが保証されている。すでに、最新のOSであるAndroid 11にも対応した。

 OSやセキュリティだけでなく、Googleが提供する新機能をいち早く使用できる利点もある。例えば2020年6月に「Pixel」シリーズに向けて提供されたアップデートでは、Google純正の時計アプリに就寝時間を設定できる「おやすみ時間」機能が、「緊急情報サービス」アプリではリアルタイムに現在位置を共有できるなど複数の機能が追加された。Pixel 4aでも継続的な機能強化が期待できる。セキュリティだけでなく機能面のアップデートも行われるのは、スマホを長く使いたい方にとっては非常に嬉しい仕様だ。

カメラアプリの使い勝手の良さはさすがGoogle

 PixelシリーズはAIを使った画像処理に定評があり、カメラの総合的な評価が高い。Pixel 4では望遠向けカメラも搭載したデュアルカメラ構成に対し、Pixel 4aはシングルカメラだが、2~3倍ズームした程度なら引き伸ばして見ない限り、ノイズは目立たない。最大ズームの7倍ではノイズが多くなるものの、デジタルズームと考えれば許容できる範囲だと思う。
 
1倍で撮影したもの
 
先程の写真と同じ場所から7倍で撮影。ノイズが目立つものの、遠目で見れば気にならない程度だ

 また、PixelシリーズではおなじみとなったGoogle純正カメラアプリの撮影モード「ポートレート」と「夜景モード」を使えば、表現の幅も広がる。

 「ポートレート」で人や物を撮影するとメインの被写体以外にボカシがかかり、単焦点レンズで撮ったようなボケを演出できる。人物はもちろん、小物などをオシャレな雰囲気で撮影したい時などに便利な撮影モードだ。
 
「ポートレート」のエフェクトをオフにした写真
 
「ポートレート」のエフェクトをオンにした写真。
髪の毛のシルエットなども、ある程度きちんと認識してくれる
 
メインの被写体以外がボケるので、散らかった背景を見せたくない時にも役に立つ……?

 「夜景モード」はその名の通り、暗い場所で写真を撮る際に真価を発揮する。撮影ボタンを押すと1~2秒ほどスキャン時間が必要だが、驚くほど明るく、かつノイズが少ない写真を撮影できる。
 
普通に撮影すると暗くなってしまうが……
 
「夜景モード」だと明るくくっきり写る

 Googleが作ったスマホらしく、カメラアプリ内から素早く「Google レンズ」を起動できるのも嬉しい。カメラを使ってテキストやURLを読み込める上、カメラを使った検索にも対応している。写真を撮っている時に「これは何だろう」と疑問に思ったら、すぐに調べられるのだ。目立つ機能ではないが、非常にGoogleらしい仕様と言える。
 
テキストやQRコードの読み込みはもちろん、花の名前なども調べられる

 これらの機能や画素数やセンサーサイズはPixel 3aと同じだが、Pixel 4aのレンズの方が1度広角になっていたり、開放F値も0.1下がってより明るく撮れたりするなど、細かなアップデートが施されている。6000円ほど安く同程度のカメラを使えると考えればお得だろう。

ゲーム向けSnapdragon 730Gで快適なプレイ体験

 手元のPixel 3aと比較して最も違いを感じるのは、処理に負荷のかかるアプリを利用しているときだ。Pixel 3aはチップセットがSnapdragon 670で、RAMは4GB。重い処理に向いているとは言えず、アプリの動作がカクつくこともままあった。だがPixel 4aはSnapdragon 730Gとミドルレンジの中でも上位のチップセットで、RAMも6GBに増えている。

 Snapdragon 730Gがゲーム向けに作られたチップセットということもあり、Pixel 3aとのスペックの違いはグラフィック重視のゲームプレイ中に実感できる。Pixel 3aでは『Call of Duty: Mobile(以下、CoDモバイル)』のグラフィック品質を「最高」に設定すると、プレイ中に一時的ではあるがフレームレートが下がることがあった。
 
最高設定に加え、「水の反射」などをオンにしても快適にプレイできた

 Pixel 4aでは「最高」設定でも滑らかにプレイでき、射撃や爆発などのエフェクトが重なってもフレームレートが落ち込むことはほとんど無い。スクリーンレコードを起動してもプレイに支障は無かった。Pixel 4aのリフレッシュレートは60Hzで近頃増えてきた120fpsには対応しないが、軽くゲームをプレイするには十分だ。
 
ゲームプレイ時もパンチホールが気になるが、『CoDモバイル』では表示領域を調整すれば、
ボタンとの被りを回避できる

 筆者のように1日30分程度ゲームをプレイするくらいなら、リフレッシュレートや熱のこもり方などの短所は気にならないだろう。

5Gが不要なら、コスパの良い選択肢

 今回紹介したPixel 4aは5G通信に対応していないが、5Gに対応した「Pixel 4a(5G)」とPixel 5はすでに発表されている。ただ、5G通信のエリアはまだ限られているほか、価格は6万500円(税込)~と少し高く感じるだろう。

 5Gで通信通信できるエリアは来年以降徐々に全国に広がる見込みだ。5G普及までの中継ぎとして機能が充実し、かつコスパの良いPixel 4aを選ぶのも良いだろう。5G通信の普及状況によってはそのまま使い続けることもできるし、5Gモデルへの買い替えを見据えても、ソフトバンクなら条件次第でほぼ半額でPixel 4aを使うこともできる。


 チャットや動画視聴、軽いゲームプレイ程度であれば、4G回線のスピードでも事足りる。そんな方にはスペック的にも申し分なく、3年はソフトウェア面で安心して使えるPixel 4aをお薦めしたい。(浦辺制作所・佐島 蒼太)